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ベネズエラ電力・水危機、エルニーニョ現象で干ばつ深刻化

ベネズエラでは地域によって1日最大10時間の停電が発生し、設備故障によって数日間にわたり電力が供給されないケースもある。
2026年8月7日/ベネズエラ、ラグアイラ州の避難民キャンプ(ロイター通信)

ベネズエラで電力と水の不足が一段と深刻化している。暫定政権は年末にかけてエルニーニョ現象の影響で干ばつが強まる可能性があるとして、国民に電力と水の節約を呼びかけている。しかし、同国ではすでに電力不足や断水が常態化しており、市民からは「節電する電力自体がない」との不満が噴出している。

ロドリゲス(Delcy Eloína Rodríguez Gómez)暫定大統領は先週、エルニーニョが年末までに深刻な干ばつをもたらす可能性があると警告した。エルニーニョは太平洋赤道域の海面水温が平年より高くなる現象で、世界各地の気象パターンを変化させる。米気候予測センターも13日、2026年秋から冬にかけて非常に強いエルニーニョが発生する確率が90%を超えるとの見通しを示した。

ベネズエラでは地域によって1日最大10時間の停電が発生し、設備故障によって数日間にわたり電力が供給されないケースもある。水道も断続的な供給にとどまっている。ロイター通信の取材に応じた75歳の男性は、停電が予告なく実施され、暑さで眠れないうえ、エレベーターも使えず高層階の自宅との往来が困難になっていると訴えた。一部地域では節電措置の拡大に抗議するデモも起きている。

電力危機の背景には、単なる異常気象だけではなく、長年の設備投資不足や保守の遅れがある。ベネズエラでは設置済み発電容量約3万6000メガワットに対し、実際に利用可能なのは1万3000メガワット未満。火力発電設備の約9割が停止しているとされ、その結果、電力供給の8割以上を南部の水力発電に依存している。干ばつが進めば、この依存構造がさらに電力不足を悪化させる恐れがある。

ロドリゲス氏は米GEベルノバやIMPSAとの契約を通じ、年末までに最大4800メガワットの発電能力を復旧させると約束している。ただ、過去にも同様の計画が実現しなかったことから、市民や専門家の間では懐疑的な見方が強い。専門家はエルニーニョは危機の原因ではなく、長年蓄積した電力・水道インフラの問題を悪化させる要因にすぎないと指摘する。

さらに深刻なのが、6月末の大地震で甚大な被害を受けた地域への影響だ。死者が6000人を超え、行方不明者の捜索が続く中、復旧作業はほとんど進んでいない。北部沿岸のラグアイラ州では損壊した建物の外でテント生活を続ける住民が、水道や電力を利用できない状況に置かれている。電力・水不足が拡大すれば、復旧作業だけでなく、医療や企業活動、農業にも打撃を与える可能性がある。

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