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軽油高騰のボリビア、農家が廃プラスチックから燃料製造、トラクターの維持費削減へ

マチャカさんの設備では、廃棄物を酸素のない高温環境で加熱して分解する「熱分解」という技術を利用する。
2026年10月9日/南米ボリビアの農場(ロイター通信)

南米ボリビアの高原地帯で、軽油価格の高騰に直面した農家が、廃プラスチックや古タイヤ、使用済み油から燃料を製造する取り組みを進めている。首都ラパス近郊の農村アンコカラに住むエトソン・マチャカ(Etson Machaca)さんは、小規模な燃料製造設備を造り、農業機械に使うガソリンや軽油を生産している。政府による燃料補助金の廃止で農家の負担が増す中、経営を維持するための独自の工夫だ。

マチャカさんの設備では、廃棄物を酸素のない高温環境で加熱して分解する「熱分解」という技術を利用する。プラスチック袋や古タイヤ、使用済み油などを原料とし、1日当たり約80~150リットルのガソリンと軽油を製造できる。

製造コストは1リットル当たり7~10ボリビアーノで、市場価格の軽油約18ボリビアーノ(約1.54ドル)を大きく下回る。マチャカさんは製造した燃料を販売せず、自身のトラクターなどの農業機械に使用している。燃料費を抑えられることは、農作業を続けるうえで大きな支えとなっている。

ボリビアの高原地帯では、効率的に畑を耕すため、家畜を使った農作業からトラクターを中心とする機械化への移行が進んでいる。その結果、農家の生産活動は軽油の安定供給と価格に大きく左右されるようになった。マチャカさんは、種まきをしなければ農産物を生産できないとして、農業にとって燃料が不可欠だと強調する。

パス(Rodrigo Paz)大統領は財政の立て直しを目的に、2026年9月に軽油への補助金を廃止した。燃料価格の上昇は農業だけでなく、輸送費や食料価格にも波及する可能性がある。農家にとっては、生産コストの増加を農産物の販売価格に転嫁できるとは限らず、収益を圧迫する要因となる。

同国は長年、天然ガスの輸出で外貨を獲得してきたが、液体炭化水素の生産減少に伴い、燃料の輸入依存を強めている。政府の統計によると、国内で消費される軽油の95%、ガソリンの60%を輸入に頼る。

マチャカさんの取り組みは、燃料価格の高騰と供給不安に直面する農家の対応を示す一例だが、廃棄物由来の燃料だけで国全体の輸入依存を解消するのは難しい。燃料供給の安定化と農業経営の維持がボリビアの課題となっている。

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