◎年間ベースで見るとインフレ率は200%を超えたままである。
南米アルゼンチンの消費者物価指数(CPI)が2カ月連続で鈍化した。右派のミレイ政権は苦境にある同国の経済を立て直すべく、緊縮財政と規制緩和策を推し進めている。
政府の統計機関INDECが12日に公表した報告書によると、今年1月のCPIは前年同月比で20.6%増、2月は13.2%まで鈍化した。
しかし、年間ベースで見るとインフレ率は200%を超えたままである。
アナリストはミレイ政権の政策によりエネルギー、燃料、教育、医療サービスが軒並み値上がりした影響で3月のインフレ率は2月を大きく上回ると予想している。
ミレイ(Javier Milei)大統領は声明で、「2月のインフレ率は強力な財政規律がもたらしたものである」と強調した。
昨年12月に就任した自由至上主義者のミレイ氏は200%超のインフレに直面する同国の経済を立て直すと公約に掲げ、公的支出を削減し、政府庁舎の数を半減させ、中央銀行を解体し、自国通貨であるアルゼンチン・ペソを米ドルに置き換えると宣言している。
ミレイ氏は就任以来、自国通貨を50%切り下げ、交通とエネルギー関連の補助金を削減。就任前に雇用された5000人以上の国家公務員との契約を更新しないと表明し、さらなる規制改革を推し進めている。
これらの措置の一環として、政府は公共交通機関や電力会社などに対する補助金を廃止。これに反対する公務員がストライキで対抗する事態となった。
ミレイ氏は「痛みを伴う改革」を続行すると言明。「この措置はしばらくの間、雇用、実質賃金、貧困層や生活困窮者に悪影響を及ぼす」と警告していた。
政府は人口(約4600万人)の約4割が貧困状態にあると推定している。