◎これはNATOの地理的範囲に含まれず、集団的自衛権(5条、集団防衛)に参加しない国が対象となる。
アルゼンチン、チェーンソーパフォーマンスを披露するミレイ氏(Getty Images/AFP通信)

アルゼンチンのミレイ政権がNATO(北大西洋条約機構)へのグローバルパートナー加盟を目指していると表明した。

南米のチェーンソーマンと呼ばれる自由至上主義者のミレイ氏NATO、EU、その他欧州諸国、そして米国との関係を強化し、投資を呼び込もうとしている。

アルゼンチンの国防相は訪問先のブリュッセルでNATOのゲオアナ(Mircea Geoana)副事務総長と会談。地域の安全保障上の課題について協議した際、パートナー国を目指していると表明した。

ゲオアナ氏はアルゼンチンの参加を歓迎すると述べた。

これはNATOの地理的範囲に含まれず、集団的自衛権(5条、集団防衛)に参加しない国が対象となる。

NATO加盟32カ国のうちアメリカ大陸の加盟国は米国とカナダのみである。

アルゼンチン大統領府は18日付けの声明で、「グローバルパートナー国になることで、これまで利用できなかった先進技術、安全保障システム、訓練を利用できるようになる」と述べた。

また同大統領は「我が国はラテンアメリカで重要な役割を果たしている。緊密な政治的・実務的協力は双方に利益をもたらすだろう」と強調した。

ミレイ氏は前政権の保護主義的な貿易政策、過剰支出、東側寄りの政策などを大幅に見直し、急進的なアジェンダを展開。200%超のインフレ、債務、公的支出を抑えてきた。

大統領に就任してからの4ヶ月間、ミレイ氏は外交政策をほぼ無条件で米国を支持するものに作り変えた。

これは欧米との関係に否定的な過去の政権とは大きく異なるものである。

ミレイ政権は西側との関係を温めることで安全保障上の利益を得ようとしている。

米政府は18日、アルゼンチンに20年以上ぶりに4000万ドルの対外軍事資金を提供すると発表した。

これはアルゼンチン軍の装備と近代化を支援するものである。同軍は今週、デンマーク軍が保有する米ロッキード・マーティン社のF16戦闘機24機を購入する契約に署名した。

ミレイ氏はこの契約について、「1983年に民主主義に復帰して以来、最も重要な取引のひとつである」と称賛した。

野党はミレイ氏が痛みを伴う財政再建を進める中で3億ドル(約463億円)を戦闘機に費やそうとしている批判している。

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