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米ワイオミング州、オオカミの個体数回復目指す、狩猟枠半減へ

州当局は15日、イエローストーン国立公園周辺に生息する個体群が感染症によって深刻な打撃を受けたことを受け、2026年シーズンの捕獲上限を前年の44頭から22頭へ半減させる案を示した。
2017年11月7日/米ワイオミング州のイエローストーン国立公園、オオカミ(AP通信)

西部ワイオミング州でオオカミの狩猟枠を大幅に削減する方針が明らかになった。州当局は15日、イエローストーン国立公園周辺に生息する個体群が感染症によって深刻な打撃を受けたことを受け、2026年シーズンの捕獲上限を前年の44頭から22頭へ半減させる案を示した。

原因となったのは「犬ジステンパー」と呼ばれるウイルス性疾患で、特に子どものオオカミに高い致死率をもたらした。州の生物学者によると、2025年に確認された87頭の子どものうち、生存したのは31~34頭程度にとどまり、生存率は約37%だった。感染は調査対象の64%で確認され、州全体のオオカミ数は253頭まで減少した。これは再導入が進められていた1990年代後半以来、約20年で最低水準だという。

イエローストーン国立公園周辺では、オオカミは生態系の頂点捕食者として重要な役割を担う。シカやヘラジカの個体数を抑制することで植生を保護し、結果として他の野生動物にも影響を与える「生態系の調整役」として知られる。そのため、急激な減少は地域の自然環境全体に波及する可能性がある。

ワイオミング州ではオオカミを「トロフィーゲーム」として管理する地域と、ほぼ無制限に捕獲できる「捕食動物」地域に分けている。今回の規制強化は主にイエローストーン周辺の管理区域が対象で、特にジャクソン地域では狩猟枠が19頭から6頭へ大きく削減される見通しだ。州当局は現在132頭まで落ち込んだ個体数を、目標とする160頭水準へ回復させたい考えを示している。

一方で、オオカミ管理を巡る議論は依然として激しい。牧畜業者や狩猟団体の一部は家畜被害や野生動物資源への影響を懸念し、狩猟継続を支持する。反対に環境保護団体は感染症で減少した状況下での狩猟そのものに批判的だ。州当局は今後、公聴会を開いて住民意見を集めた上で、7月にも最終決定を下す予定である。

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