米国、若者の間でアルコールや薬物の使用が減少、なぜ?
近年の調査では、Z世代と呼ばれる若年層は、過去の世代と比べてアルコールや違法薬物を使用する割合が低下していることが確認された。
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米国の若者の間で、飲酒や薬物を使用する人が減少している。専門家は、この背景には健康志向の高まりや価値観の変化、デジタル社会の浸透など、複数の要因があると分析している。
近年の調査では、Z世代と呼ばれる若年層は、過去の世代と比べてアルコールや違法薬物を使用する割合が低下していることが確認された。飲酒を「大人らしさ」や社交の象徴と考える意識が薄れ、健康維持や自己管理を重視する価値観が広がっていることが、その理由の一つとされる。また、アルコールががんなどさまざまな健康リスクと関連するという研究結果が広く知られるようになり、若者の間で飲酒を控える動きが強まっている。
さらに、コロナ禍による生活様式の変化も影響している。外出やパーティーの機会が減少したことで、飲酒や薬物使用を始めるきっかけそのものが少なくなったとみられる。加えて、交流の場が対面からSNSやオンラインゲームに移行したことも、飲酒を伴う社交文化の縮小につながっている。
経済的な事情も無視できない。物価上昇や生活費の増加により、若者は限られた収入を家賃や食費などに充てる傾向が強く、高価な酒類や娯楽への支出を抑えるケースが増えている。また、ノンアルコール飲料の種類が充実したことで、飲酒をしなくても友人との交流を楽しめる環境が整いつつある。
一方で、専門家は今回の傾向を楽観視すべきではないと指摘する。若年層全体では飲酒や薬物使用が減少しているものの、依然として多くの人が依存症や精神的な問題を抱えており、十分な治療を受けられていないケースも少なくない。実際、最新の米国政府調査でも、若者の薬物使用や飲酒、うつ症状、自殺念慮は改善傾向を示した一方、不安症状を抱える若者は依然として多く、支援体制の充実が課題となっている。
若者の飲酒・薬物使用の減少は、公衆衛生の面では前向きな変化といえる。しかし、その背景には価値観の変化だけでなく、社会環境や経済状況、メンタルヘルスなど多様な要素が複雑に関係している。
専門家は、この好ましい流れを維持するためには、予防教育や相談体制の充実に加え、若者が安心して生活できる社会環境の整備が重要だとしている。
