◎妊娠中絶は秋の大統領選の争点のひとつになっている。
米テキサス州、トランプ前大統領(Evan Vucci/AP通信)

米国のトランプ(Donald Trump)前大統領は8日、妊娠中絶をめぐる自身の立場に言及。「それは各州の問題である」と述べ、全国的な妊娠中絶禁止を支持するよう求める保守派の声を拒絶した。

妊娠中絶は秋の大統領選の争点のひとつになっている。共和党が多数派を占める多くの州が中絶を禁じる州法を導入しており、反対派と裁判で争っている。

トランプ氏は自身のソーシャルネットワーキングサービス「トゥルース・ソーシャル」にビデオメッセージを投稿。「私は各州が投票か立法、あるいはその両方によってそれを決めることを支持する」と述べた。

またトランプ氏は州によって考えが異なると指摘。「保守的な州が中絶を支持する。そうでない州は違うだろうし、保守派が多数派になれば、そうなるだろう」と強調した。

「結局のところ、それは民意なのです。自分の心、自分の宗教や信仰に従う。あなたの家族にとって正しいこと、自分自身にとって正しいことを選択するということです。あなたは子供の代わりに選択できるし、国のために選択、投票できる。それは民意であり、それを決めるのはあなた自身であると理解すべきです」

トランプ氏は大統領選を念頭にこう締めくくった。「大切なのは共和党が選挙で勝つことです」

「この問題については自分の心に従わなければなりません。我々の文化を回復させるために。現在、非常に悲しいことに、衰退しつつあるこの国を救うために、選挙に勝たなければならないことを忘れないでほしい。常に自分の心に従ってください。しかし、我々は勝たなければなりません。我々は勝たなければならない」

フォックスの世論調査によると、全国で中絶を禁じるという提案を支持すると回答した共和党員は40~45%。保守的な党員ほど賛成する傾向が強いが、若い女性は反対意見が目立つ。

中道右派のバイデン(Joe Biden)大統領は敬虔なキリスト教徒である一方、中絶禁止には反対している。一部の民主党員も中絶に否定的な見方を示している。

大統領選でトランプ氏を支持しないと表明しているペンス(Mike Pence)前副大統領はその理由のひとつとして、トランプ氏が中絶禁止を明確に支持しないことをあげている。

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