米国の麻しん(はしか)感染者2000人超える、2年連続、流行続く 2026年6月
今年はまだ年半ばにもかかわらず既に2000人を突破し、感染拡大の長期化が懸念されている。
ワクチン(Getty-Images).jpg)
米疾病対策センター(CDC)は5日、今年の麻しん(はしか)の国内感染者数が2030人に達し、2年連続で年間2000人を超えたと発表した。感染は全米38州とワシントンDCに広がっており、異例の高水準が続いている。
CDCによると、2025年の感染者数は2288人で、30年以上ぶりに2000人を超えた。今年はまだ年半ばにもかかわらず既に2000人を突破し、感染拡大の長期化が懸念されている。米国では1992年以降、年間患者数が2000人を超えた年はほとんどなく、近年の流行は公衆衛生上の重大な課題となっている。
患者の多くはワクチン未接種者または接種歴が不明な人。CDCや専門家は幼児向けMMR(麻しん・おたふく風邪・風疹混合)ワクチンの接種率低下が感染拡大の主要因だと指摘している。米国の幼稚園児におけるMMR接種率は近年95%を下回り、集団免疫の維持に必要な水準を割り込んでいる。
今回の流行では子どもの感染が目立つ。ABCニュースによると、感染者の6割は5~19歳、4分の1は5歳未満の幼児だった。免疫を持たない子どもが地域社会で感染を広げるケースが相次いでいる。
米国は2000年に麻しんの「排除状態」を達成したと認定された。これは国内で持続的な感染連鎖が存在しない状態を意味する。しかし、近年はワクチン忌避の広がりや接種率低下を背景に散発的な流行が増加し、2025年から続く大規模流行によって排除状態の維持が危ぶまれている。世界保健機関(WHO)の基準では、同一の感染連鎖が12か月以上継続した場合、排除認定を失う可能性がある。
CDCは夏季の旅行シーズンを前にさらなる患者増加を警戒している。麻疹は感染力が極めて強く、空気中でも一定時間感染性を保つため、ワクチン未接種者を中心に急速に広がる恐れがある。保健当局は市民に対し、予防接種歴を確認するとともに、未接種者には速やかなワクチン接種を呼び掛けている。
