米国2026年麻しん感染者2300人超、前年の総数上回る
CDCによると、感染者は全米45の州・地域で報告され、このほか海外からの渡航者16人の感染も確認された。
ワクチン(Getty-Images)-3.jpg)
米疾病対策センター(CDC)が24日に公表した最新データによると、2026年の米国における麻しん(はしか)の感染者数は2318人となり、前年の染者数2289人を上回った。2026年はまだ年半ばにもかかわらず、すでに前年の年間総数を超え、流行が深刻化している。
CDCによると、感染者は全米45の州・地域で報告され、このほか海外からの渡航者16人の感染も確認された。感染は35件の集団感染によって拡大、一つ一つの集団感染の規模が大きくなっていることが特徴だ。
麻しんは感染力が極めて強いウイルス性疾患で、発熱やせき、鼻水、結膜炎に続いて全身に発疹が現れる。肺炎や脳炎など重い合併症を引き起こすことがあり、乳幼児や免疫力の低下した人では命に関わるケースもある。感染者と接触した免疫のない人の多くが感染する。
専門家は感染拡大の背景として、予防接種率の低下を挙げている。米国では幼稚園・保育園児のMMR(麻疹・おたふく風邪・風疹混合)ワクチン接種率が近年低下傾向にあり、集団免疫の維持に必要とされる95%を下回る地域が増えている。ワクチン接種率が低いコミュニティでは感染が広がりやすく、各州で大規模な流行が相次いでいる。
公衆衛生の専門家は、実際の感染者数は報告数を上回る可能性があると指摘する。軽症で医療機関を受診しなかったり、診断や報告が行われなかったりするケースがあるためで、流行の実態は公表値以上に深刻との見方も出ている。
米国は2000年に国内での持続的な感染がない「麻しん排除状態」を達成したが、近年はワクチン接種率の低下や海外からのウイルス持ち込みを契機とした流行が相次いでいる。感染者数は1991年以来の高水準となり、このまま感染拡大が続けば、排除状態の評価にも影響を及ぼす可能性がある。
CDCは、はしかの予防には2回のMMRワクチン接種が最も有効であるとして、未接種者や接種歴が不明な人に対し、速やかな接種を呼びかけている。また、夏休みや旅行シーズンを迎え、人の移動が活発になることでさらなる感染拡大も懸念されるため、各州の保健当局は監視体制の強化とワクチン接種の促進を進めている。
