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米国2026年第1四半期「家計債務」残高、過去最大を更新

債務増加を主導したのは住宅ローンと自動車ローンである。
家計簿のイメージ(Getty Images)

米国の家計債務が過去最大となった。ニューヨーク連邦準備銀行が12日に公表した2026年第1四半期(1~3月)の統計によると、住宅ローンやクレジットカード、自動車ローン、学生ローンを含む家計債務残高は18兆8000億ドル(約2963兆円)に達し、過去最高を更新した。物価上昇が続く中、生活費負担の増加が家計を圧迫している実態が浮き彫りとなった。

債務増加を主導したのは住宅ローンと自動車ローンである。住宅ローン残高は13兆2000億ドル、自動車ローンは1兆6900億ドルに拡大した。一方、学生ローン残高は1兆6600億ドルとわずかに減少したものの、延滞率は上昇傾向を示している。ニューヨーク連銀は学生ローン残高の10%超が返済遅延状態にあり、コロナ禍前の水準に近づいていると指摘した。

クレジットカード債務は前期比で250億ドル減少し、総額1兆2500億ドルとなった。ただし、前年同期比では700億ドル増えており、高止まりが続いている。インフレによる食料品や住宅、エネルギー価格の上昇を背景に、多くの家庭が日常支出を借り入れで補っている状況が続く。

ニューヨーク連銀は米国全体の信用状況について、「おおむね安定している」と評価する一方、若年層や低所得層では返済能力の悪化が目立つと警告した。特に高金利環境が長期化する中、借入コストの上昇が家計の負担を一段と重くしている。

米国ではインフレ率が再び上昇傾向を示し、消費者心理も悪化している。エネルギー価格や生活必需品価格の上昇に対する不安が広がり、消費者信頼感指数(CCI)は低水準に落ち込んでいる。雇用市場は底堅さを維持しているものの、賃金上昇が物価高に追いついていないとの見方も強い。

専門家の間では、家計債務の増加が今後の米国経済の重荷となる可能性が指摘されている。特に金利負担の増大は消費活動を抑制し、景気減速につながる恐れがある。連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ抑制を優先する姿勢を維持しているが、高金利政策が家計をさらに圧迫する構図も鮮明になっている。

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