米テキサス州のハエ不妊化施設、2027年春に開設へ、スクリューワーム対策
ラセンウジバエは家畜などの傷口に幼虫を寄生させ、組織を食い荒らす。
の標本(Getty-Images).jpg)
米農務省は10日、家畜に深刻な被害を与える「スクリューワーム(新世界ラセンウジバエ)」対策として、テキサス州南部に建設中の不妊ハエ生産施設を2027年春に開設すると発表した。当初は2027年末の稼働を予定していたが、米国内での感染拡大を受け、計画を前倒しする。
ラセンウジバエは家畜などの傷口に幼虫を寄生させ、組織を食い荒らす。米国では1960年代に根絶されたが、2026年6月にテキサス州で約30年ぶりとなる感染が確認された。畜産業への被害は最大10億ドルに達する可能性がある。
対策の中心となるのが「不妊虫放飼法」だ。放射線などで繁殖能力を失わせたハエを大量に放ち、野生の個体と交尾させることで、次世代の個体数を減らす。現在、北米で稼働する主要な生産拠点はパナマにあり、週1億匹余りの不妊ハエを生産している。メキシコでも生産能力の増強が進められている。
テキサス州の新施設は2027年末までに週1億匹を追加生産し、2028年末には週3億匹まで能力を引き上げる計画だ。農務省によると、施設は米陸軍工兵隊と連携して建設され、完成すれば米国内で唯一の不妊ハエ生産拠点となる。
専門家はスクリューワームの北上を止め、パナマとコロンビアの間にあるダリエン地峡まで押し戻すには、週約5億匹の不妊ハエが必要だと指摘する。テキサスの新施設はパナマやメキシコの拠点と連携しながら供給能力を高め、米国の畜産業を脅かす害虫の封じ込めと根絶を目指す重要拠点となる。
.jpg)
メキシコ南部で不妊スクリューワーム生産施設の開所式、米墨共同プロジェクト
施設は総事業費約5000万ドルを投じた米墨共同プロジェクトで、将来的には週当たり最大1億匹の不妊ハエを生産する能力を備える計画
