トランプ氏、米国民の関税反対が拡大する中でも強硬姿勢、中間選挙前に高まる政治的リスク
AP通信の世論調査によると、米国民の64%超が、トランプ政権による関税措置は行き過ぎだと回答した。
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トランプ(Donald Trump)米大統領は関税政策への国民の反発や経済専門家からの批判が強まる中でも、高関税を通商政策の柱として維持する姿勢を崩していない。11月3日の中間選挙まで1カ月を切る中、関税による物価上昇や企業負担の増加が、共和党にとって新たな政治的リスクとなっている。
AP通信の世論調査によると、米国民の64%超が、トランプ政権による関税措置は行き過ぎだと回答した。1月の58%から反対が拡大しており、貿易政策に対する不満が広がっていることが明らかになった。
米国は現在、欧州連合(EU)、日本、インド、カナダ、メキシコなどを含む60の経済圏からの輸入品に対し、10~12.5%の関税を課している。トランプ氏は、外国による不公正な貿易慣行から米国産業を守り、国内製造業の復活と雇用拡大を実現するために必要な措置だと主張する。政権側は、製造業の雇用や工場建設関連の仕事に改善の兆しがあることも成果として挙げている。
一方、経済専門家は関税の負担が外国企業だけでなく、米国内の輸入業者や消費者にも及んでいると指摘する。ニューヨーク連邦準備銀行やハーバード大学などの研究では、海外企業が関税分を吸収するために輸出価格を引き上げた結果、米国企業が追加コストを負担したり、商品価格に転嫁したりしている実態が示されている。こうした仕組みは家計を圧迫するだけでなく、輸入部品を使う米国企業の競争力を損なう可能性もある。
トランプ政権は、米国が長年にわたり不公正な貿易の被害を受けてきたと訴える。しかし、貿易相手国の関税率が一律に米国より高いわけではない。貿易摩擦が激化する以前、EUが米国製品に課していた平均関税率は約1.35%で、米国がEU製品に課していた約1.47%を下回っていた。カナダとの間でも、米国側の関税率が相手国を上回っていたとの分析がある。
関税政策は、国内産業の保護を掲げる政権の経済戦略と、物価や雇用への悪影響を懸念する国民の意識との間に隔たりを生んでいる。中間選挙では、関税の効果が実際の賃金や生活費の改善につながっているかが問われることになる。
トランプ氏が強硬路線を維持する中、関税政策への反発が共和党の議席にどこまで影響するかが焦点となる。
