◎ドナルド・トランプ前大統領は合衆国大統領という圧倒的な地位と権力を利用して取引を優位に進めたと非難されている。
2019年3月11日/ワシントンD.C.にあるトランプ・インターナショナルホテルの北入り口(Mark Tenally/AP通信)

米主要メディアによると、ワシントンD.C.にあるトランプ・インターナショナルホテルは複数の企業と外国政府から融資を受けたにもかかわらず、ドナルド・トランプ前大統領の在職期間中に7,000万ドル(約80億円)以上の損失を計上したという。

下院の監視と改革に関する委員会は10月8日の声明で、「ホワイトハウスからわずか数ブロック先に位置するトランプ組織の高級ホテルは、トランプ前大統領の他の事業(持ち株会社)から2,700万ドルの援助を受けたにもかかわらず赤字経営から脱却できず、主要な貸し手から優遇措置を受け、ローンの支払い期限を遅らせた」と指摘した。

また委員会は、「高級ホテルは外国政府から推定370万ドルの融資を受けたが、尻についた火を消すことはできなかった」と述べた。

トランプ前大統領は合衆国大統領という圧倒的な地位と権力を利用して取引を優位に進めたと非難されている。

倫理の専門家は、「トランプ前大統領は自分の立場を理解したうえで行動すべきだった」と指摘した。

一部の批評家はソーシャルメディアに、「ドナルド・トランプは大統領の地位を利用して外国政府から融資を受け、ローンの支払い期限の延長を強制承認させた」と投稿した。

また委員会の報告書によると、トランプ・インターナショナルホテルはトランプ前大統領の任期中に7,000万ドルを失ったが、トランプ前大統領は任期中に少なくとも1億5,000万ドル(約170億円)以上稼いだと主張していた。

トランプ・オーガナイゼーションは8日の声明で粉飾(利益操作)を否定し、民主党主導の委員会の報告書は誤解を招くと非難した。「報告書はトランプ大統領を中傷するという民主党の継続的な政治的嫌がらせに他なりません...」

しかし、委員会は報告書の中で、「証拠はトランプ前大統領が高級ホテルの財政状況を大幅に誇張したことを示している」と述べた。

また委員会が新たに入手した文書によると、トランプ・インターナショナルホテルは外国政府から370万ドルの融資を受けていたことも判明したという。

調査を主導した下院議員たちは外国政府の融資に強い懸念を表明し、「連邦政府に対する外国の影響を防ぐことを目的とする憲法の規則に違反している可能性がある」と指摘した。

また報告書によると、トランプ前大統領は任期中、ドイツ銀行から「重要な経済的利益」も受け取っていたという。委員会は報告書の中で「トランプ前大統領はドイツ銀行に対する1億7,000万ドルのローンの支払い期限を6年間遅らせることができただけでなく、大統領時代に外国の銀行から支援を受けていたことを隠していた」と述べた。

委員会は、「ドイツ銀行は米国内で実質的に事業を行っており、トランプ前大統領はドイツ銀行から受けた非公開の優遇措置を報告すべきだった」と述べた。

主要メディアによると、ドイツ銀行はプライバシーの懸念を理由に質問には応じなかったという。

一方、トランプ前大統領の息子であるエリック・トランプ氏は委員会を「無能」と呼び、「下院議員たちは財務諸表の読み方を学びなさい」と侮辱した。

トランプ・インターナショナルホテルは、トランプ前大統領が共和党の大統領指名を受け入れてから数週間後の2016年9月にオープンした。

トランプ前大統領は2017年に会社の代表を辞任し、息子たちが後を引き継いだ。しかし、政府倫理局は当時、トランプ大統領の計画は「憲法の規則を満たしていない」と述べた。

一般調達局(GSA)の監査機関は2019年、大統領選挙後に規制当局がトランプ・インターナショナルホテルのリース契約を承認したことを批判し、政府は意図的に憲法を無視したと述べた。

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