◎トランプ前大統領はニュージャージー州ベッドミンスターのトランプ国立ゴルフクラブで記者会見を開き、フェイスブック、ツイッター、グーグル傘下のユーチューブ、そして、3社のCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏、ジャック・ドーシー氏、サンダー・ピチャイ氏を訴えると宣言した。
2021年7月7日/ニュージャージー州ベッドミンスターのトランプ国立ゴルフクラブ、ドナルド・トランプ前大統領と仲間たち(AP通信/Seth Wenig)

7月7日、ドナルド・トランプ前大統領は国内最大のテクノロジー企業3社に対する訴訟を起こしたと発表した。

しかし、法律の専門家たちは米主要メディアの取材に対し、「既存の判例と法的保護を考えると、訴訟は失敗するでしょうね」と述べた。

トランプ前大統領はニュージャージー州ベッドミンスターのトランプ国立ゴルフクラブで記者会見を開き、フェイスブック、ツイッター、グーグル傘下のユーチューブ、そして、3社のCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏、ジャック・ドーシー氏、サンダー・ピチャイ氏を訴えると宣言した。

3社は1月6日の致命的なDC議会議事堂襲撃事件を扇動したトランプ前大統領を厳しく非難し、プラットフォームから締め出した。AP通信などによると、3社のCEOは訴訟に対するコメントを拒否したという。

トランプ前大統領は演説の中で、「私たちはフロリダ州南部地区の地方裁判所に、ソーシャルメディア企業の米国民に対する違法で恥ずべき検閲の即時停止を命じるよう求めています」と述べた。「私はビッグテックに非常に重い責任を負わせるつもりです。彼らは恥を知るべきです。恥!」

フェイスブック、ツイッター、グーグルはすべて非公開会社であり、利用者は製品を使用するための利用規約に同意する必要がある。1996年に施行された通信品位法第230条(セクション230と呼ばれている)に基づき、ソーシャルメディアプラットフォームは、「誠意を持って」行動している限り、わいせつな投稿や基準に違反する投稿を削除し、サービスを維持することを許可されている。

またセクション230は、利用者が投稿したデータに対する責任からソーシャルメディアプラットフォームを保護している。

しかし、トランプ前大統領とその他の一部の政治家は、ソーシャルメディアプラットフォームはその保護を悪用していると長年主張してきた。

トランプ前大統領の法務チームはフェイスブックとザッカーバーグCEOに対し、「フェイスブックはトランプ大統領をプラットフォームから恣意的に削除し、法を犯した」と主張している。ツイッターとユーチューブに対する訴訟も同様。

法務チームは裁判所に、「損害賠償を認め、セクション230を違憲と宣言し、トランプ前大統領のアカウントを含む原告団のいくつかのアカウントを復元する」よう求めた。

トランプ前大統領は記者団に対し、「この訴訟は言論の自由を確立するためのもの」と表現し、誤った情報に惑わされアカウントを停止したソーシャルメディア企業と民主党員を非難した。「私たちは言論の自由の保護、ソーシャルメディア企業の暴挙、追放、迫害、弾圧、虐待、アカウント停止の解除を要求します。彼らはとても恥ずかしい人だちです」

またトランプ前大統領は、「合衆国大統領を禁止することができれば、彼らはあらゆるものを禁止できる力を与えられたことになる」と述べたうえで、ツイッター社に削除された投稿を「最も愛情のこもった投稿」と呼んだ。

ツイッター社は1月8日、トランプ前大統領が「最も愛情のこもった投稿」と呼んだ投稿を削除した。トランプ前大統領は投稿の中で大統領選挙の不正について改めて言及し、「私に投票した偉大な愛国者は巨大な声を持ち、軽視されたり不当に扱われたりしない」と主張したうえで、「1月20日の大統領就任式には出席しない」と述べた。

一方、記者会見に参加したトランプ前大統領の友人たちは、ビッグテックを打倒する新たな計画を発表した。友人たちによると、計画の柱は、ビッグテックを解散させるための独占禁止法およびセクション230の改正だという。

トランプ前大統領はセクション230をあらためて非難し、「この法律はアメリカの歴史上誰も見たことのない責任保護法だ」と述べた。「セクション230は民間企業に巨大な力を与えました。しかし、彼らはあくまで民間企業です。特定の巨大企業を保護する法律は今すぐ廃止すべきです」

2021年7月7日/ニュージャージー州ベッドミンスターのトランプ国立ゴルフクラブ、ドナルド・トランプ前大統領(AP通信/Seth Wenig)
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