トランプ氏、名誉毀損判決の破棄を最高裁に請求、E・ジーン・キャロル氏裁判
訴訟はキャロル氏が2019年、トランプ氏から1990年代に性的暴行を受けたと公表したことが発端となった。
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トランプ(Donald Trump)米大統領と司法省は29日、女性作家のE・ジーン・キャロル(E. Jean Carroll)氏が勝ち取った約8330万ドルの名誉毀損賠償判決を破棄するよう、連邦最高裁判所に申し立てた。トランプ氏側は大統領在任中に行った発言は公務の範囲内であり、個人として民事上の責任を問われるべきではないと主張している。
訴訟はキャロル氏が2019年、トランプ氏から1990年代に性的暴行を受けたと公表したことが発端となった。これに対し、当時大統領だったトランプ氏は疑惑を全面的に否定し、キャロル氏が虚偽の主張で自身の著書を宣伝しようとしているなどと発言した。キャロル氏は、これらの発言によって名誉を傷つけられたとして提訴した。
2024年1月、ニューヨーク連邦地裁はトランプ氏の発言が名誉毀損に当たると認定し、精神的苦痛や信用の失墜に対する補償に加え、懲罰的損害賠償を含む総額約8330万ドルの支払いを命じた。その後、控訴審でも判決は維持されたが、支払いについては最高裁が審理するかどうかを判断するまで猶予されている。
今回の申し立てでトランプ氏側は、在任中の発言は大統領としての職務に関連するものであり、「ウェストフォール法」に基づき米政府が被告となるべきだと主張した。同法は、連邦職員が職務の範囲内で行った行為について、一定の場合に個人ではなく政府が責任を負うことを定めている。
司法省も同様の立場から最高裁に申し立てを行い、政府を被告に置き換えるよう求めている。仮にこの主張が認められれば、連邦政府は名誉毀損では訴えられないため、8330万ドルの賠償判決は無効となる可能性がある。
一方、キャロル氏側の代理人は今回の申し立てについてコメントを控えている。トランプ氏は別の裁判でも、キャロル氏への性的虐待と名誉毀損の責任を認定され、560万ドルの賠償を命じられており、この判決については最高裁が既に上訴を却下している。
今回の申し立てで最高裁が審理入りを認めるかどうかは、大統領在任中の発言に対する免責の範囲をめぐる重要な判断として注目されている。
