◎ジョー・エキゾチックことジョゼフ・マルドナド=パッセージは動物虐待と2件の殺人計画に関与した罪で2018年に逮捕され、2020年1月に懲役22年の実刑判決を言い渡された。
2020年に公開されたドキュメンタリー「タイガーキング:ブリーダーは虎より強者」、ジョゼフ・マルドナド=パッセージ(Netflix/Getty Images/AP通信)

1月28日、米国の連邦判事は2020年に公開されたドキュメンタリー「タイガーキング:ブリーダーは虎より強者」に主演したジョー・エキゾチックことジョゼフ・マルドナド=パッセージの刑期を1年短縮し、懲役21年の実刑判決を言い渡した。

AP通信によると、エキゾチックは判決に憤慨し、「私を刑務所で死なせないでください」と涙を流しながら判事に訴えたという。

エキゾチックは動物虐待と2件の殺人計画に関与した罪で2018年に逮捕され、2020年1月に懲役22年の実刑判決を言い渡された。

しかし、連邦控訴裁判所は昨年7月、エキゾチックの再審請求を認めた。検察は2020年の裁判で懲役22年~27年を求めたが、被告側は懲役17年半~22年が妥当と主張していた。

AP通信の法廷記者によると、エキゾチックはオレンジ色の囚人服を着て法廷に登場し、ライオンを意識した金髪ヘアーはひどく色あせていたという。

エキゾチックはフロリダ州に拠点を置くNPO法人ビッグ・キャット・レスキューの権利活動家であるキャロル・バスキン氏を殺害するためにヒットマンを雇ったが、計画は未遂に終わった。

再審には暗殺されかけたバスキン氏も出席し、判事に「ジョーは私を今でも殺したいと考えています」と述べ、刑期の見直しに強く反対した。

またバスキン氏はエキゾチックが逮捕された後もエキゾチックの支持者に様々な嫌がらせを受け、「命の危機を感じている」と主張した。「ジョーの支持者は私を脅迫し続けています...」

一方、エキゾチックの弁護士は判事に、「被告はステージ1の前立腺がんと免疫系の病に苦しんでおり、ひどく衰弱しています」と訴えた。

エキゾチックは昨年末、弁護士を通じて「刑期が見直されるまで前立腺がんの治療は受けない」と述べていた。連邦刑務所の医療当局によると、エキゾチックには最大8週間の放射線治療が必要だという。

エキゾチックの弁護士は判事に、「被告は適切な治療を受けておらず、長期刑は死刑判決に相当する」と訴えた。

オクラホマ州オクラホマシティの連邦裁判所前にはエキゾチックの支持者と思われる数十人が集まり、「フリー・ジョー・エキゾチック!」と叫びながら、アニマルプリント柄のTシャツを道行く人に販売していた。

判決後、弁護団の代表を務めるモリー・パーマー弁護士は記者団に、「訴訟を継続する」と述べ、控訴する意向を示した。

エキゾチックはオクラホマ州の動物園で飼育していたトラ5頭を殺し、トラの子供を売り飛ばし、野生動物の飼育に必要な記録を改ざんした罪でも有罪判決を受けた。なお、エキゾチックは2016年の大統領選挙に独立候補として立候補し、全米で962票を獲得した。

2013年8月28日/オクラホマ州ウィンウッドの動物園、ジョー・エキゾチックことジョゼフ・マルドナド=パッセージ(Sue Ogrocki/AP通信)
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