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米テイラー・ファームズ集団感染、食品安全監視体制の弱点が浮き彫りに

今回の感染事例は米国の食卓を支える輸入農産物の安全を確保するには、事後的な回収だけでなく、海外の生産現場から輸入、流通までを一貫して監視する仕組みが必要であることを示している。
米青果大手テイラー・ファームズのロゴ(Getty Images)

青果大手テイラー・ファームズを巡り、メキシコ産農産物が関係する食中毒が相次いだことで、米国の食品安全監視体制の弱点が浮き彫りになっている。最近では、同社が扱ったハラペーニョがサルモネラ菌の集団感染と関連し、さらにその直前には、メキシコから輸入されたレタスが原因とみられるサイクロスポーラ症の大規模感染が発生した。後者では2万4000人超が発症し、2人が死亡した。

サルモネラ感染では米疾病対策センター(CDC)が8月5日時点で27州の345人の感染を確認し、36人が入院した。原因として調査されているのはメキシコ・シナロア州産のハラペーニョで、テイラー・ファームズはこの原料を使ったサルサやワカモレなどを自主回収した。同社は問題の生産者からの調達を停止し、代替供給元に切り替えた。

一方、レタスを巡るサイクロスポーラ症ではテイラー・ファームズが供給した細切りレタスが感染源として特定された。米食品医薬品局(FDA)は関連製品の市場からの撤去を進めた結果、感染拡大が収束したとしている。二つの事例が短期間に発生したことで、個別企業の衛生管理だけでなく、農産物を米国に輸入する段階での監視能力そのものに疑問が生じている。

背景には、メキシコから米国への農産物輸入が長期的に急増してきたことがある。北米自由貿易協定(NAFTA)発効以降、メキシコからの農産物輸入は約15倍に拡大し、現在では米国の食品輸入の2割超を占める。一方、輸入量の増加に対して監視体制が十分に追いついているとはいえない。ロイター通信によると、FDAの職員数は2024年から2026年にかけて22%減少し、2025年の海外食品施設への検査件数も13%減った。

さらに、メキシコの農産物生産者全体を対象に、灌漑(かんがい)用水の安全性を統一的に証明する認証制度は存在しない。FDAの輸入警告や問題のない事業者を対象とする「グリーンリスト」などの仕組みも、広範なサプライチェーンを完全に管理するには限界がある。

今回の感染事例は米国の食卓を支える輸入農産物の安全を確保するには、事後的な回収だけでなく、海外の生産現場から輸入、流通までを一貫して監視する仕組みが必要であることを示している。

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