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米アラスカ州セスナ墜落事故、国家運輸安全委員会が最終報告書を公表

事故機は2025年2月6日、州内の定期便として運航中、ノートン湾の海氷上に墜落した。
2025年2月7日/米アラスカ州沖、航空会社ベーリングエアのセスナの残骸(ABCニュース)

2025年2月にアラスカ州西部で小型旅客機が墜落し、乗客乗員10人全員が死亡した事故について、国家運輸安全委員会(NTSB)は30日、最終調査報告書を公表した。

報告書は航空会社ベーリングエア社で重量制限を超える運航が常態化していたことに加え、連邦航空局(FAA)の監督体制が不十分だったことが事故の重要な要因になったと結論付けた。

事故機は2025年2月6日、州内の定期便として運航中、ノートン湾の海氷上に墜落した。報告書によると、事故当日は機体が着氷条件下で許容重量を超えた状態で飛行していたほか、操縦士は着陸進入中に着氷防止装置の操作に注意を向けた結果、十分な対気速度を維持できず、機体の制御を失った可能性が高いという。また、目的地のノーム空港では滑走路の除氷作業が行われており、通常とは異なる運航環境も事故に影響したと分析した。

調査では、ベーリングエア社で実際の機体重量を過少に申告した運航記録が繰り返し確認され、重量超過の飛行が日常的に行われていた実態も明らかになった。NTSBは、こうした安全上の問題をFAAが十分に把握できなかったと指摘。コロナ禍後の需要回復や競合他社の撤退を受けて同社の事業規模が急速に拡大したにもかかわらず、FAAは運航の複雑化に見合った監督強化を実施せず、重量超過運航を是正できなかったとしている。

NTSBは声明で、「今回の悲劇は一つの失敗によって引き起こされたのではなく、安全を徐々に損なった複数の防止可能な問題が重なった結果だ」と強調した。その上で、FAAに対し、小規模航空会社の操縦士を対象とする失速・操縦不能からの回復訓練の拡充や、飛行データ監視システムの普及、積載管理の強化などを勧告した。

FAAは報告書を受け、「NTSBの勧告を真摯に受け止め、内容を慎重に検討する」との声明を発表した。一方、ベーリングエアは報告書に関するコメントを出していない。

この事故はアラスカ州で近年発生した航空事故の中でも最悪規模で、地域交通を支える小規模航空会社の安全管理と監督の在り方が改めて問われることになった。

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