◎国土安全保障省、FBIおよび8つの機関からなる共同チームによると、国内の過激派、特に次期政権を非合法と信じている一部の人々は、就任式で何かしらの行動を起こす可能性が高いという。
◎ワシントンD.C.のダウンタウンに設置された検問所を無許可で通過しようとしたウェズリー・アレン・ビーラーが逮捕された。容疑者は未登録のハンドガンと実弾509発、散弾銃の弾、弾倉を所持していた。
アメリカの法執行機関と州当局は、1月20日の就任式で新たな「武装抗議」が決行される可能性を徹底的に調査し、警戒を強めている。
連邦捜査局（FBI）は、全50州およびDC議会議事堂で武装抗議が計画されている可能性があるという情報を共有し、体制を強化すると同時に、当日の式への参加は控えるよう市民に呼び掛けた。
国土安全保障省、FBIおよび8つの機関からなる共同チームによると、国内の過激派、特に次期政権を非合法と信じている一部の人々は、就任式で何かしらの行動を起こす可能性が高いという。
FBIのクリストファー・レイ長官は1月14日の記者会見で、「当局は就任までの潜在的な武装抗議と活動を追跡し、入ってくる情報はすべて監視している」と述べた。
国土安全保障省のケン・クチネリ副長官代理はCNNニュースの取材に対し、「バイデン氏の就任式のリハーサルが1日延期された理由はチームの事情。特定の脅威を回避するためではない」と語った。
ケン・クチネリ副長官代理：
「リハーサルは1月18日に行われる。スケジュール調整はシークレットサービスとバイデン移行チームが担当しており、1日延期はバイデンチームが決めた」
「リハではシークレットサービスを配置し、ワシントンD.C.全体をチームの指揮下に置き、20日の対応方法を最終チェックする」
ジョー・バイデン次期大統領は1月15日の会見で「就任式は安全だと思うか？」と尋ねられ、「間違いなく安全だ」と答えた。
ワシントンD.C.警察によると、就任式前後に起こりうる暴動、抗議、その他の抵抗に関する情報を毎日FBIから受け取っているという。
DC警察のロバート・コンティー副署長は声明で、「当局とFBIは、ミュリエル・バウザー市長にあらゆる驚異の可能性およびそれに向けての対処方法を毎日報告している」と語った。
一方、バージニア州の裁判所が発行した文書によると、1月15日の夜、ワシントンD.C.のダウンタウンに設置された検問所を無許可で通過しようとした同州の男性が逮捕されたという。
逮捕されたウェズリー・アレン・ビーラー容疑者は、未登録のハンドガンと実弾509発、散弾銃の弾、弾倉を所持していたと伝えられている。
DC議会議事堂、ナショナルモール、リンカーン記念館などの周辺地域には、20,000人以上の州兵と警察関係者が配備される予定である。
コロンビア特別区のバウザー市長は、「就任式後の警戒態勢はある程度緩和されると思う」と述べたが、トランプ支持者の抗議活動などが続くようであれば、「新たな体制」に移行しなければならないと警告した。
ミュリエル・バウザー市長：
「就任式は自宅のテレビで見てほしい。立ち入り禁止区域などへの接近を避け、混乱とコロナウイルスから身を守ってほしい」
就任式当日、ナショナルモールは完全閉鎖される。それに向けての準備は1月15日から始まっており、国立公園局（NPS）は少なくとも1月21日まで閉鎖状態を維持すると発表した。
郵便公社は2017年と同様に、DCの通りなどに設置された郵便受けの撤去または施錠を開始した。また、今年は他の20州の都市でも同様の措置を講じる予定だという。
1月14日、下院監視委員会は、バス路線、レンタカー会社、20以上のホテルの運営会社に書簡を送り、ワシントンD.C.やその他の場所で進行中の脅威を特定および防止するための協力を依頼している。
書簡によると、この協力依頼は、利用者のスクリーニングを強化し、将来の調査に備えて各種情報（氏名、年齢、住所など）を確実に記録および保管したうえで、暴力に関連すると思われる情報は速やかに関係当局に通報し、記録を提供するよう求めている。
書簡の中には、就任式前後のDCでの宿泊予約を停止したAirbnbの例が記載されていた。
フェイスブックは1月15日の声明で、「同社のポリシーに違反したアカウントは、就任式までライブビデオのストリーミング、イベント、グループ、ページの作成を禁止する」と述べた。
さらに、「ワシントンD.C.および議会議事堂に結び付く新しいイベントページの作成を、ポリシー違反の有無に関係なく禁止した」と追加発表した。
トランプ大統領は1月20日の早朝にホワイトハウスを離れ、フロリダ州に移動すると伝えられている。
＜DC武装抗議まとめ＞
・ワシントンD.C.のダウンタウンに設置された検問所を無許可で通過しようとしたウェズリー・アレン・ビーラーが逮捕された。容疑者は未登録のハンドガンと実弾509発、散弾銃の弾、弾倉を所持していた。
・ワシントンD.C.のショッピングモールはほぼ一週間閉鎖される。また、地下鉄の駅と橋も閉鎖。
・州兵の最大配備数は約25,000人。(1月20日がピーク）
・武装した極右過激派グループが1月18日にワシントンD.C.で行進する予定。（FBI情報）
・郵便公社が郵便受けの撤去または施錠を開始。（DCと20州の都市）
・極右過激派グループの情報がSNS上に拡散されており、当局は正確な情報の特定に苦労している。
・フェイスブックがポリシーに違反したアカウントに対する制限を強化。
