トリニダード産アンモニアの供給減、米農家を圧迫、肥料価格高騰で中間選挙前のトランプ政権に新たな課題
農家は肥料価格だけでなく、ディーゼル燃料の高値や中国向け農産物需要の低迷にも直面している。
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米国で窒素肥料の原料となるアンモニアの供給が減少し、農家の経営負担が一段と強まっている。カリブ海の島国トリニダード・トバゴからの輸入が落ち込んでいるためだ。同国はカナダに次ぐ米国第2位のアンモニア供給国だが、天然ガスの生産減少や肥料工場の操業停止が輸出を押し下げている。中間選挙を控え、農業関連コストの上昇はトランプ政権にとっても新たな経済課題となっている。
米中西部のアンモニア価格は、6月下旬のショートトン当たり約600ドルから、11月2日時点で約875ドルに上昇した。中東情勢による供給混乱に加え、トリニダードの生産減少が価格を押し上げている。米国の同国産アンモニア輸入量は今年に入り約34%減少した。代替供給も十分に確保できていない。
トリニダードでは、老朽化したガス田からの天然ガス生産が減少し、新規開発も限られている。アンモニア製造には大量の天然ガスが必要となるため、原料不足が工場の稼働を制約している。肥料大手ニュートリエンは先月、現地の窒素肥料事業について、ガス供給不足を理由に操業を無期限停止した。米国内では過去10年間に生産能力が拡大し、トリニダードへの依存度は低下したものの、新設工場の操業上の問題などから輸入減少分を十分に補えていない。
農家は肥料価格だけでなく、ディーゼル燃料の高値や中国向け農産物需要の低迷にも直面している。秋の肥料散布期にコストが上昇したことで、農業団体はトランプ政権の80億ドル規模のディーゼル燃料支援策の効果も薄れていると指摘する。
肥料価格の高騰は農家の収益を圧迫するだけでなく、翌年の作付けや農産物価格にも影響しかねない。国際的な供給網の不安定化が米国の農業経済と政治情勢に波及している。
