◎NYの検察当局は先週、元補佐官を含む11人の女性に対するアンドリュー・クオモ州知事のセクシャルハラスメントを立証したと発表した。
2018年9月14日/ニューヨーク市の記者会見場、アンドリュー・クオモ州知事(右)と秘書のメリッサ・デローザ氏(Mary Altaffer/AP通信)

米主要メディアによると、セクハラ問題で苦境に立たされているニューヨーク州のアンドリュー・クオモ州知事の補佐官が8月8日遅くに辞任したという。

メリッサ・デローザ氏は声明で、「ニューヨークの人々に奉仕できたことは私の人生の最大の名誉でした」と述べたが、「過去2年間は感情的および精神的に努力してきました」と補足した。デローザ氏は辞任の理由を明らかにしていない。

NYの検察当局は先週、元補佐官を含む11人の女性に対するクオモ州知事のセクシャルハラスメントを立証したと発表した。

NY州のレティシア・ジェームズ司法長官は3日の記者会見で、「クオモ州知事は連邦法と州法に違反した」と述べた。「調査の結果、女性たちは合意に基づかない接触や不快な言葉をクオモ州知事から受けていました...」

クオモ州知事は不正行為を否定したうえで4期目を目指すと誓ったが、一部の州議会議員は弾劾投票を求めており、生き残れるかどうかは不明。AP通信によると、州議会の司法委員会の調査は9月まで続く見込みだという。なお、NY州の州法では、下院の弾劾投票から上院の弾劾裁判が始まるまでには少なくとも30日かかる。

デローザ氏は2013年から補佐官を務め、2017年に州知事の秘書になり、ニューヨーク州で最も有名な政権関係者のひとりになった。

ジェームズ司法長官のチームが公開した報告書によると、クオモ州知事とデローザ氏はセクハラ問題をめぐって衝突したという。デローザ氏は被害者のひとりである元補佐官のシャーロット・ベネット氏とのやりとりをクオモ州知事が隠していたことに腹を立て、公用車から飛び降りたという。

報告書によるとデローザ氏はクオモ州知事に「信じられない」と吐き捨てたという。「何がどうなればこういう状況に陥るのか...信じられない」

ベネット氏はニューヨーク・タイムズにクオモ州知事からセクハラを受けていたと告発した。タイムズ紙によると、ベネット氏は昨年、クオモ州知事に性的関係を構築したいと言われ、「年上の男性とセックスしたことはあるか?」などと不快な質問を複数回されたという。ベネット氏は2020年11月に辞職した。

一方、クオモ州知事の弁護士を務めるリタ・グラビン氏は7日に放送されたCNNニュースのインタビューの中で、「知事は辞任しない」と語った。

グラビン弁護士はジェームズ司法長官の報告書を「見苦しく偏ったもの」と呼んだ。

しかし、未来の大統領候補と目されているクオモ州知事のセクハラ弾劾に躊躇していたNY州議会の数十人の議員はAP通信の取材に対し、「報告書の内容に動揺した」と述べた。民主党のジョン・マクドナルド州議会議員は、「私たちの大多数はクオモ州知事はNY州を率いる立場にないと感じています」と語った。

州議会の司法委員会は9日に会合し、クオモ州知事の弾劾に向けた手続きや5か月に及んだ一連の調査をいつ終了するかなどについて協議すると伝えられている。

ジョー・バイデン大統領は報告書の公開後、クオモ州知事に辞任を求めた。

2021年8月7日/ニューヨーク州オールバニー、アンドリュー・クオモ州知事(Hans Pennink/AP通信)
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