オーストラリア住宅市場、3年半ぶりの大幅下落、中銀の金融引き締めで
オーストラリアでは過去5年間で住宅価格が約30%上昇し、主要都市で住宅取得の難しさが深刻化していた。
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オーストラリアの住宅市場が急速に冷え込んでいる。不動産調査会社コタリティ(Cotality)が6月30日に公表したデータによると、6月の全国住宅価格指数は前月比0.4%減で、2022年12月以来約3年半ぶりの大幅な下落となった。2025年初頭から続いていた住宅価格の上昇は3月をピークに反転し、2026年第2四半期(4~6月)全体では0.7%下落した。市場では、相次ぐ利上げによる住宅ローン負担の増加や投資用住宅を対象とする税制変更が需要を大きく冷え込ませたとの見方が広がっている。
オーストラリアでは過去5年間で住宅価格が約30%上昇し、主要都市で住宅取得の難しさが深刻化していた。しかし、今年に入り準備銀行(RBA、中銀)がインフレ抑制を目的に政策金利を0.75ポイント引き上げたことで住宅ローン金利が上昇し、購入希望者の借り入れ能力が低下した。加えて、政府が投資用不動産に対する税優遇措置を見直したことから投資家の購入意欲も減退し、市場は急速に勢いを失っている。
下落は特に主要都市で顕著となった。シドニーでは第2四半期の住宅価格が1.2%、メルボルンでは1.0%それぞれ下落し、全国の下落を主導した。一方、これまで価格上昇が続いていたアデレードでも横ばいになるなど、中核都市にも減速の波が及び始めている。不動産市場では売り物件が増える一方で購入希望者が減少し、競売の落札率はコロナ禍初期以来の低水準まで落ち込んだ。
市場の冷え込みは住宅ローン需要にも表れている。報道によると、住宅ローンの新規照会件数は前年同月比で6.6%減少し、特に初めて住宅を購入する層では9.1%減と大きく落ち込んだ。生活費の高騰も重なり、多くの世帯が住宅購入を見送る姿勢を強めている。市場関係者は「今後さらに価格が下がる」との期待から買い控えが広がっていると指摘する。
RBAも住宅市場の減速を注視している。不動産取引の停滞が長引けば、住宅建設や個人消費など幅広い経済活動に悪影響を及ぼす可能性があるためだ。住宅価格は依然として前年を上回る水準を維持しているものの、急激な金融引き締めによって住宅価格の上昇局面は転換点を迎えたとの見方が強まっている。今後は追加利上げの有無やインフレ動向が住宅市場の行方を左右することになりそうだ。
