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南アフリカ全土で不法移民の排除求めるデモ、緊張高まる

デモを主導したのは複数の市民団体。6月30日を「不法移民が南アフリカを去る期限」と一方的に設定し、政府に対し厳格な移民対策を求めてきた。
2026年6月30日/南アフリカ、ヨハネスブルグ、不法移民に抗議するデモ(AP通信)

南アフリカ各地で6月30日、不法滞在者の排除を求める大規模な抗議デモが行われ、政府は暴力行為を防ぐため、最大都市ヨハネスブルクやダーバンなど主要都市に多数の警察官を配備した。抗議活動は2008年に外国人を標的とした排外的暴動が発生して以来、最大規模の移民問題を巡るデモとなり、外国人住民の間で治安悪化への不安が広がっている。

デモを主導したのは複数の市民団体。6月30日を「不法移民が南アフリカを去る期限」と一方的に設定し、政府に対し厳格な移民対策を求めてきた。参加者たちは不法移民が低賃金で働くことで南ア国民の雇用を奪い、犯罪や麻薬取引の増加につながっていると主張した。

これに対し政府は、市民団体が設定した期限には法的根拠がなく、移民法の執行は国家機関のみが担う権限だと強調。ラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領はデモ前日に主催団体の代表と会談し、抗議活動は平和的かつ合法的な形で行うよう要請した。また、外国人住民への暴力や脅迫は法の支配を損なう行為であり、容認しないとの立場を示した。

それでも過去の反移民デモでは、外国人経営の商店への襲撃や略奪、建物の破壊などが相次ぎ、今回も多くの店舗が自主的に営業を取りやめた。警察だけでなく民間警備会社も商業施設や住宅地の警備を強化するなど、当局は暴力行為の未然防止に全力を挙げた。

抗議デモの影響は周辺国にも及んでいる。治安悪化を懸念した外国人住民がジンバブエやマラウイ、ナイジェリアなどへの帰国を急ぎ、各国大使館や領事館には帰国支援を求める人々が殺到した。南アとジンバブエを結ぶ国境検問所では帰国者を乗せたバスの往来が増え、マラウイ政府も自国民の帰還支援を進めている。

南アはアフリカ最大級の経済規模を持ち、近隣諸国から多くの移民を受け入れてきた。一方で、高い失業率や経済格差、生活苦への不満を背景に、移民が社会問題の原因とみなされる傾向が強まっている。しかし、専門家は失業や犯罪を移民だけに結び付ける見方には十分な根拠がないと指摘し、排外感情の高まりが社会の分断を一層深めることを懸念している。政府は法に基づく移民管理を進める姿勢を維持しつつ、市民の不満と外国人の安全確保という難しい課題への対応を迫られている。

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