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メルコスール、日本との経済連携協定(EPA)交渉開始

メルコスールはブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイで構成される南米最大の経済圏であり、農産物や鉱物資源、エネルギー資源に強みを持つ。
南米南部共同市場(メルコスール)加盟国の国旗(Getty Images/AFP通信)

南米南部共同市場(メルコスール)は6月30日、日本との経済連携協定(EPA)締結に向けた正式交渉を開始した。ブラジルのルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領が明らかにしたもので、メルコスールは欧州連合(EU)との大型貿易協定に続き、アジアとの経済関係強化を加速させる方針を鮮明にした。中国との協力拡大も視野に入れ、世界経済の不確実性が高まる中で貿易相手の多角化を進める狙いがある。

メルコスールはブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイで構成される南米最大の経済圏であり、農産物や鉱物資源、エネルギー資源に強みを持つ。一方、日本は自動車や機械、先端技術分野で高い競争力を有し、EPAが実現すれば双方の関税引き下げや投資促進、サプライチェーンの強化など幅広い分野で経済協力が進むことが期待される。日本にとっても、重要鉱物やエネルギー資源の調達先を多様化する上で大きな意味を持つ。

ルラ氏は日本との交渉が始まったことについて、メルコスールの対外戦略の重要な一歩と強調した。その上で、中国との自由貿易協定についても可能性を排除しない考えを示し、中国との経済関係をさらに深める意向を示した。中国はすでにブラジルをはじめとする加盟国にとって最大級の貿易相手国となっており、農産物や鉄鉱石などの輸出拡大を支えている。

メルコスールは長年、域外との自由貿易協定が進まないとの批判を受けてきたが、今年はEUとの協定発効に続き、日本とのEPA交渉開始に踏み切ったことで、閉鎖的との評価からの転換を図る姿勢を示している。加盟国は世界経済の分断や保護主義の拡大を背景に、新たな市場開拓と投資誘致を急いでおり、日本との連携強化はその象徴的な取り組みと位置付けられる。

今後の交渉では、自動車や農産物の市場開放、知的財産、デジタル貿易、政府調達など幅広い分野が議題となる見通しだ。交渉が順調に進めば、日本企業にとっては南米市場へのアクセス改善が期待される一方、メルコスール側も日本からの投資や技術移転を呼び込み、産業競争力の向上につなげたい考えである。

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