米国「サイクロスポーラ症」流行、2人の死亡確認、国内初
サイクロスポーラは人の腸に寄生する原虫で、汚染された食品や水を介して感染する。主な症状は長期間続く水様性の下痢、腹痛、吐き気、食欲不振、倦怠感などで、多くの患者は適切な治療によって回復する。
-1.jpg)
米ミシガン州の保健当局は3日、腸管寄生虫による感染症「サイクロスポーラ症(Cyclosporiasis)」による集団感染に関連し、州内で2人が死亡したと発表した。サイクロスポーラ症に関連する死亡が米国内で確認されたのは今回が初めてとなる。死亡した2人はいずれも重い基礎疾患を抱えており、感染に伴う激しい下痢や脱水症状が病状を悪化させた可能性があるとしている。州当局は遺族への配慮から、年齢や居住地などの詳細は公表していない。
サイクロスポーラは人の腸に寄生する原虫で、汚染された食品や水を介して感染する。主な症状は長期間続く水様性の下痢、腹痛、吐き気、食欲不振、倦怠感などで、多くの患者は適切な治療によって回復する。しかし、高齢者や免疫機能が低下している人、基礎疾患を持つ人では重症化する恐れがあり、脱水症状によって命に関わる場合もある。
今回の集団感染は全米でも過去最大規模となっている。ミシガン州では感染疑いを含めた患者数が1万1000人を超え、200人余りが入院した。州内ではウェイン郡を中心に感染が拡大しており、保健当局は引き続き感染状況を監視している。全米では45州で感染が報告され、疾病対策センター(CDC)は数千件の感染を確認するとともに、多数の疑い例について調査を続けている。
感染源については、メキシコ中部で生産された細切りレタスが有力視されている。米食品医薬品局(FDA)は、複数州にまたがる感染事例について疫学調査を進め、タコベルで提供されたレタスとの関連を調べている。ただし、感染源が一つに限定されるかどうかは明らかになっておらず、他の農産物が関与している可能性も排除していない。
州当局はサイクロスポーラ症について、通常は命に関わる病気ではないものの、症状が長引く場合や激しい下痢による脱水がみられる場合は速やかに医療機関を受診するよう呼びかけている。また、生鮮野菜や果物は十分に洗浄してから食べるなど、基本的な食品衛生対策を徹底するよう注意を促している。感染拡大の全容解明にはなお時間を要する見通しで、保健当局は感染経路や食品流通の調査を継続している。
