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米マサチューセッツ州で「ライドシェア労組」誕生、全米初

認定を受けた「App Drivers Union」は約7万人のドライバーを代表する見通しで、マサチューセッツ州労働関係局が正式に承認した。
2026年5月26日/米マサチューセッツ州ボストン、ライドシェア運転手の労働組合発足を祝う人々(AP通信)

マサチューセッツ州で配車サービス大手のウーバー(Uber)とリフト(Lyft)のドライバーによる労働組合が正式に認定され、全米初となる州規模のライドシェア労組が誕生した。ギグワーカーの組織化が進む中での歴史的な動きとして注目を集めている。

認定を受けた「App Drivers Union」は約7万人のドライバーを代表する見通しで、マサチューセッツ州労働関係局が正式に承認した。背景には、2024年に州民投票で可決された新制度がある。この制度では、ドライバーが独立請負業者の地位を維持したまま団体交渉を行えるようになった。米国では通常、ライドシェアドライバーは従業員ではなく個人事業主と見なされるため、連邦労働法上の労組結成権が限定されていた。今回の制度はその壁を州レベルで突破した形だ。

ボストンの州議会議事堂前には多くのドライバーが集まり、組合認定を祝った。7年以上ウーバーで働く男性はAP通信の取材に対し、「これまで収入は減る一方で、常にアプリ停止の不安があった」と訴え、組合を通じて賃金改善や不当なアカウント停止への保護を求めた。ガソリン代や車両維持費の高騰が続く中、長時間労働でも生活が苦しくなっているという声は少なくない。

一方、ウーバーとリフトは組合との協議に応じる姿勢を示している。ウーバーは「ドライバーの柔軟な働き方を守る」と強調し、リフトも「誠実に交渉に臨む」とコメントした。ただ両社はこれまで、ドライバーを従業員として扱う動きには強く反対してきた。配車サービス業界では、企業側が「自由な働き方」を重視する一方、ドライバー側は最低賃金や福利厚生、労働保護の不足を問題視しており、対立が続いている。

今回の組合結成にはもう一つ大きな背景がある。自動運転技術の急速な進展だ。アルファベット(Alphabet)傘下のウェイモ(Waymo)がサンフランシスコやロサンゼルスなどで無人タクシー事業を拡大し、ドライバーの間では「将来的に仕事を奪われるのではないか」という不安が高まっている。組合側はAIや自動運転が進む時代だからこそ、労働者が集団で発言力を持つ必要があると主張している。

マサチューセッツ州での成功はカリフォルニア州やイリノイ州など他州の運動にも影響を与える可能性が高い。ギグエコノミー拡大の象徴だったライドシェア業界は「柔軟な働き方」と「労働者保護」をどう両立させるかという新たな局面を迎えている。

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