米マンハッタンの高層ビル上階で鉄骨座屈、倒壊の恐れも、当局が避難命令
異常が確認されたのは、かつて製薬大手の本社として使用されていた37階建てのオフィスビルで、現在高級住宅へ転用する大規模改修工事が進められている。
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米ニューヨーク市マンハッタン中心部で改修工事中の高層ビルに構造上の異常が発生し、不安定な状態にあることから、当局が周辺住民や施設の避難措置を進めている。これまでのところ負傷者は確認されていないが、局所的な崩落の危険性があり、技術者らが24時間態勢で監視と安全対策を進めている。
異常が確認されたのは、かつて製薬大手の本社として使用されていた37階建てのオフィスビルで、現在高級住宅へ転用する大規模改修工事が進められている。7日朝の通勤時間帯、外壁から「レンガ」が路上へ落下したとの通報を受け、消防当局が調査した結果、21階と22階で主要な鉄骨柱2本が「座屈」し、21階から26階付近まで複数階の床がたわんでいることが判明した。
現場はクライスラービルやグランド・セントラル駅に近い交通量の多い地域である。当局は問題発生を受け、建物内の作業員を避難させたほか、周辺の学校やホテル、オフィスビルなども安全確保のため閉鎖・避難措置を実施した。学校では約400人の児童が避難し、周辺道路も広範囲にわたり通行止めとなった。幸い、建設作業員を含めケガ人は確認されていない。
ニューヨーク市当局によると、建物はわずかな変形が続いており、内部への立ち入りは極めて危険な状況にある。このため、技術者らはドローンを活用して建物の変位を継続的に監視するとともに、損傷した階を補強する方法を検討している。消防当局は建物全体が直ちに倒壊する可能性は低いとの見方を示す一方、損傷部分を中心とした局所的な崩落が起きる恐れは否定できないとして警戒を続けている。
問題のビルでは、オフィスを住宅へ転用するニューヨーク市でも最大級の再開発事業が進行中で、完成後は約1600戸の住宅が供給される計画となっていた。しかし、今回の座屈により工事は全面的に停止され、構造異常が発生した原因について、市建築局などが設計や施工手順を含めた詳細な調査を開始した。工事関係者は当局と連携し、安全確保を最優先に対応するとしている。
今回の事案は高層建築物の大規模改修工事に伴う構造管理の重要性を改めて浮き彫りにした。当局は周辺住民に対し、規制区域には近づかないよう呼び掛けるとともに、安全性が確認されるまで避難措置や交通規制を継続する方針である。
