『Lower 48』が争点に、米アラスカ上院選、州外勢力との距離を競う
「ローワー48」という言葉を使った批判は、選挙広告やSNSでも展開されている。
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「Lower 48(ローワー48)」という言葉が、2026年の米アラスカ州上院選で繰り返し登場している。ローワー48とは、アラスカ州とハワイ州を除く米国本土48州を指す呼称だ。アラスカでは単なる地理的な表現にとどまらず、ワシントンDCなど州外の政治勢力を意味する言葉として使われることがあり、今回の上院選でも候補者の政治姿勢をめぐる攻防の一つとなっている。
共和党の現職サリバン(Dan Sullivan)上院議員の陣営は、民主党のメアリー・ペルトラ(Mary Peltola)氏をローワー48のリベラル勢力と結びつけ、アラスカの石油・天然ガス開発に反対する勢力の影響を受けていると批判している。これに対しペルトラ氏は、民主党のバイデン前政権と対立して2023年にウィロー石油開発計画の承認に取り組んだ実績を強調し、「アラスカに必要なことを理解しないローワー48の勢力とも対峙する」と訴えている。
背景には、連邦政府とアラスカ州の長年の緊張関係がある。アラスカでは州内の土地のおよそ60%を連邦政府が所有しており、石油や鉱業、森林資源などの開発をめぐって、州側の経済的利益と連邦政府の環境政策が衝突してきた。広大な土地と人口の少なさから、狩猟や漁業を含む自立的な生活を重視する住民も多く、「アラスカは他州とは違う」という意識が政治的な言説に結びついている。
ペルトラ氏はアラスカ先住民ユピックの出身で、州内で生まれ育った経歴を前面に出している。一方、サリバン氏はオハイオ州出身で、1990年代後半にアラスカへ移住し、州司法長官や天然資源局長を務めた後、上院議員となった。両陣営はそれぞれ異なる経歴を背景に、誰がアラスカの利益を代表するのかを争点としている。
「ローワー48」という言葉を使った批判は、選挙広告やSNSでも展開されている。今回の上院選では、単純な政党対立だけでなく、州外の政治勢力とアラスカ独自の利益との距離をどう考えるかが、有権者に示される主要な論点の一つとなっている。
