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HPVワクチンは1回か2回か、接種回数をめぐる議論、米国で再燃

HPVは一般的な性感染症で、40種類以上の型が男女の生殖器や口、喉などに感染する。
黄熱ワクチン(Getty Images)

子宮頸がんなどの予防に使われるHPVワクチン(ヒトパピローマウイルスワクチン)をめぐり、米国で接種回数を1回に減らせるかどうかをめぐる議論が再び活発になっている。現在、専門家が基本的に推奨しているのは2回接種だが、1回でも十分な効果が得られる可能性を示す研究が発表され、今後の指針をめぐる検討材料となっている。

HPVは一般的な性感染症で、40種類以上の型が男女の生殖器や口、喉などに感染する。特定の型は子宮頸がんや肛門がんなどの原因となり、米国ではHPVが関連する部位のがんが年間約5万件診断されている。疾病対策センター(CDC)によると、子宮頸がんと肛門がんの約9割はHPV感染が関係している。

HPVワクチンは2006年に米国で初めて承認された。当初は女児を対象に3回接種する方式だったが、2011年には男児にも対象が拡大した。その後、研究によって十分な防御効果が確認されたことから、15歳未満で接種を開始する場合は2回接種へと変更された。現在のCDCの指針では、通常11~12歳での接種を推奨し、9歳から開始できるとしている。15歳以上で接種を開始した場合や免疫機能が低下している人には3回接種が推奨されている。

一方、近年の研究では1回接種でも高い防御効果が得られる可能性が示されている。特に注目されたのが、コスタリカで2万人以上の女児を5年間追跡した研究で、1回の接種によって子宮頸がんにつながるHPV感染に対して約97%の予防効果が確認され、2回接種と同程度だったと報告された。

ただし、1回接種で十分かどうかについては未解明の部分も多い。女性の子宮頸がん以外のHPV関連がんについて、1回接種の効果を裏付けるデータは限られており、男性についても、HPVが関係する頭頸部がんや陰茎がん、肛門がんなどを1回接種でどこまで予防できるかについて十分な証拠はそろっていない。

HPVワクチンの接種率も課題となっている。米国では10代の約63%が必要な2回接種を完了しているとされ、他の思春期向けワクチンと比べて接種率が低い状態が続いている。接種回数を減らすことで、接種を完了する人が増える可能性がある一方、医学的に必要な防御効果をどの程度維持できるかが重要になる。

米国では2026年1月、保健当局がHPVワクチンを1回接種に変更する動きを見せたが、連邦裁判所の判断によって阻止された。医療団体側でも1回接種への変更可能性を検討しているものの、現時点では2回接種を前提とする専門家の見解が中心となっている。

今後は1回接種の長期的な予防効果や、男女それぞれのHPV関連がんに対する有効性を示す研究結果が、接種指針の判断材料となる。

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