米ロングアイランド鉄道がスト開始、会社との交渉決裂 ニューヨーク州
ストに参加したのは機関士や信号担当、車掌などで構成される5つの労組。組合側はインフレによる生活費高騰に賃金が追いついていないと主張し、2026年分として5%前後の賃上げを要求していた。
.jpg)
米ニューヨーク都市圏の「ロングアイランド鉄道(LIRR)」で16日、大規模なストライキが始まり、約30万人の通勤客に影響が広がった。運営するメトロポリタン交通局(MTA)と労働組合側の契約交渉が決裂したことを受け、約3500人の組合員が一斉に業務を停止した。北米最大級の通勤鉄道が全面的に止まるのは約30年ぶりである。
ストに参加したのは機関士や信号担当、車掌などで構成される5つの労組。組合側はインフレによる生活費高騰に賃金が追いついていないと主張し、2026年分として5%前後の賃上げを要求していた。一方、MTA側は3%程度の昇給と一時金支給を提案したが、意見の隔たりは埋まらなかった。労組側は「組合員は長年にわたり誠実に交渉してきた」として、MTAの対応を強く批判している。
LIRRはニューヨーク市とロングアイランドを結ぶ交通網で、平日は約30万人が利用する。スト開始に伴い列車運行は全面停止となり、MTAは代替としてシャトルバスを運行したものの、輸送力が不足している。州当局は在宅勤務の活用や不要不急の移動自粛を呼びかけており、大規模な渋滞が発生する懸念が高まっている。
ニューヨーク州のホークル(Kathy Hochul)知事は16日、双方に対し早期の交渉再開を求め、「利用者や地域経済への影響は極めて大きい」と懸念を示した。経済活動への損失は1日あたり数千万ドル規模に上る可能性も指摘されている。
今回のストは1994年以来で、ニューヨークの交通インフラの脆弱性を改めて浮き彫りにした。過去にも1980年や2005年にニューヨーク都市圏で大規模交通ストが発生し、市民生活や経済活動に深刻な混乱をもたらした経緯がある。公共交通への依存度が高い地域だけに、早期妥結を求める声が強まっている。
