米NY裁判所、トランプ政権の税金投入広告3本の削除命じる、政治宣伝目的と判断
広告費には国土安全保障省(DHS)に割り当てられた連邦予算が使われていた。
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米ニューヨーク州の連邦裁判所は10月30日、トランプ政権が制作・配信した広告3本について、テレビや政府のウェブサイト、ソーシャルメディアから直ちに削除するよう命じた。広告がトランプ(Donald Trump)大統領の政治的主張を広める目的で作られた可能性が高く、公費の不適切な使用に当たるとの判断だ。
ジェニファー・ロション(Jennifer Louise Rochon)判事は、広告の配信を禁じた一時差し止め命令を拡大し、第三者による放送や配信の手配も停止するよう政権に指示した。対象となったのは「米国民に5000ドル」「チップへの課税廃止に民主党議員全員が反対」「社会主義の代償」と題する3本。うち1本は、中間選挙で共和党が議会の多数派を維持すれば、米国民に5000ドルが支給されるというトランプ氏の主張を宣伝していた。
広告費には国土安全保障省(DHS)に割り当てられた連邦予算が使われていた。政権はこれらを政策を周知する公共広告だと説明してきたが、原告側は、特定の政府サービスの利用を促す従来の公共広告とは異なり、トランプ氏の政治的利益を支える宣伝と主張していた。
訴訟を起こしたのは非営利団体コモン・コーズなどの連合。連邦議会が承認した予算を政治宣伝に流用することは、連邦法が禁じる「宣伝・プロパガンダ」に当たると訴えていた。ロション判事は、広告が政治的、あるいは宣伝目的である可能性を認め、削除を命じた。
トランプ政権はこれまで、広告を政策広報として正当化してきた。一方、トランプ氏は批判を受け、今後の広告費は政治資金で負担すると表明していた。ただし、既に税金から支出された費用を国庫に返還するかどうかは明確になっていない。
今回の命令は中間選挙を前に、政府機関の予算や広報活動を大統領の政治的宣伝に利用できるのかという問題を改めて浮き彫りにした。公費の使途をめぐる司法判断は政権の広報戦略だけでなく、選挙における政府の中立性にも影響を及ぼす可能性がある。
