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米国2026年5月インフレ率4.2%、3年ぶりの高水準、イラン戦争長期化で

2026年5月のインフレ率は前年同月比4.2%増となり、前月の3.8%からさらに加速した。インフレ率が4%を超えるのは約3年ぶりで、市場予想とほぼ一致した。
ニューヨーク証券取引所(Getty Images)

米国の消費者物価指数(CPI)が2023年以来の高水準に達した。労働省が10日に発表したデータによると、2026年5月のインフレ率は前年同月比4.2%増となり、前月の3.8%からさらに加速した。インフレ率が4%を超えるのは約3年ぶりで、市場予想とほぼ一致した。

背景には、イラン戦争の長期化によるエネルギー価格の高騰がある。中東地域の原油供給網が混乱し、世界的な原油価格の上昇が続いている。米国内ではガソリン価格の上昇が家計を直撃しており、エネルギー関連価格の上昇が全体を押し上げる最大の要因となっている。専門家はホルムズ海峡周辺の物流停滞やエネルギー施設への攻撃が供給不安を深刻化させていると指摘する。

物価上昇は燃料だけにとどまらない。航空運賃や食品価格も上昇傾向を示し、企業の輸送コスト増加が幅広い商品やサービス価格に波及している。食料品価格は前年同月比で3%超の上昇となり、日常生活への負担感が強まっている。

一方で、変動の大きい生鮮食品とエネルギーを除いたコアインフレ率は2.9%にとどまり、全体のインフレ加速ほどの勢いは見られていない。このため、一部のエコノミストは「現在のインフレは主としてエネルギー価格のショックによるもの」と分析している。ただし、エネルギー高が長期化すれば他分野への波及が進み、より根強いインフレにつながる可能性もある。

こうした状況を受け、市場の関心は連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策に集まっている。インフレ率はFRBが目標とする2%を大きく上回っており、利下げ観測は後退している。現時点では政策金利の据え置きが有力視されているものの、今後も物価上昇が続けば追加利上げの可能性も否定できないとの見方が広がっている。

雇用市場は依然として堅調で消費も底堅いが、実質賃金は物価上昇に追いついていない。家計の購買力低下への懸念が強まり、消費者心理も悪化している。中東情勢の先行きが不透明な中、エネルギー価格の動向が米国経済と金融政策を左右する最大の焦点となっている。

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