SHARE:

香港高層住宅火災、改修工事の業者2社と7人を起訴、過失致死や詐欺罪など

火災は2025年11月26日、北部・大埔の団地で発生した。
2025年11月26日/香港、火災が発生した集合住宅(AP通信)

香港当局は10日、昨年11月に発生した高層集合住宅の大規模火災を巡り、7人と2社を過失致死や詐欺共謀などの罪で起訴したと発表した。この火災では168人が死亡、数千人が住居を失った。過去最悪とされる火災の責任追及が本格化した形だ。

火災は2025年11月26日、北部・大埔の団地で発生した。この団地は改修工事の最中で、建物全体が竹製足場と防護ネットで覆われていた。火は複数の住宅棟に燃え広がり、多くの住民が逃げ遅れた。最終的に168人が死亡し、香港社会に大きな衝撃を与えた。事故後には数千人の住民が避難を余儀なくされ、政府は被災者支援や住宅買い取り策の検討を進めてきた。

今回起訴されたのは、改修工事に関与していた設計コンサルティング会社と元請け建設会社、および両社の取締役や関係者らである。当局によると、被告たちは過失致死、詐欺共謀、資金洗浄、公務執行妨害、脱税など計25件の罪に問われている。捜査当局は工事に関する安全管理や契約手続きに不正があった疑いがあるとしている。

捜査当局は火災発生後、近年最大規模の合同捜査チームを設置した。これまでに少なくとも35人が逮捕されており、当局は火災原因だけでなく、工事契約を巡る汚職や不正行為の有無についても調査を進めている。捜査では可燃性の高い建材の使用や防火対策の不備が火災拡大につながった可能性が指摘されている。事故当初から建設会社幹部らが過失の疑いで拘束されていた。

また独立調査委員会による公聴会では、防火設備の多くが人的ミスによって十分に機能していなかったとの指摘もなされている。専門家たちは改修工事中の安全基準や監督体制に深刻な欠陥があった可能性を示唆し、今後の審理では企業側の責任範囲が重要な争点となる見通しだ。

被告たちは10日に出廷。地元メディアによると、審理は9月2日に延期されたという。当局は捜査が継続中であるとし、今後さらに起訴対象が拡大する可能性もある。多数の犠牲者を出した惨事の真相究明と責任追及を求める声は依然として強く、香港社会が司法手続きの行方を注視している。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします