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スイス「人口を1000万人に制限する国民投票」6月14日投開票、賛否拮抗

提案では、人口が950万人に近づいた段階で政府に抑制措置を義務付け、1000万人に達する事態を防ぐことを求めている。
2026年5月10日/スイスの牧場、右派政党・スイス国民党(SVP)の選挙ポスター(AP通信)

スイスで6月14日、国内人口を将来的に1000万人以下に抑えることを憲法に明記する提案の是非を問う国民投票が行われる。提案を主導したのは反移民政策を掲げる右派政党・スイス国民党(SVP)で、人口増加による住宅不足や交通混雑、社会基盤への負担を理由に移民流入の抑制を訴えている。一方、政府や経済界は外国人労働者への依存度が高いスイス経済に深刻な打撃を与えるとして反対しており、国民の間でも意見が大きく割れている。

提案では、人口が950万人に近づいた段階で政府に抑制措置を義務付け、1000万人に達する事態を防ぐことを求めている。必要に応じて移民受け入れの制限や難民・家族呼び寄せ制度の見直しを行うほか、人口増加の要因となる国際協定の破棄も視野に入れる。欧州連合(EU)との協定が対象になる可能性もあり、可決された場合にはスイスとEUの関係に大きな影響を及ぼすとみられている。

スイスの人口は現在約910万人で、このうち外国生まれの住民が3割近くを占める。2002年にEUとの自由移動制度が拡大されて以降、人口が約23%増加した。支持派は急速な人口増加が住宅価格や家賃の上昇、交通機関の混雑、環境負荷の増大を招いていると主張し、「持続可能な国家運営」のためには上限設定が必要だと訴える。

これに対し反対派は、人口問題の原因を移民だけに求めるのは単純化しすぎていると批判する。医療や介護、建設、情報技術など多くの分野で外国人労働者が不可欠な存在となっており、移民制限は深刻な人手不足を招く恐れがあるという。政府や主要企業はEUとの協力関係が損なわれれば経済成長や国際競争力にも悪影響が及ぶと警告している。

今回の投票は、移民と国家の将来像を巡る長年の議論の集大成とも位置付けられている。スイスは直接民主制の伝統が強く、国民は重要政策について定期的に国民投票で判断を下してきた。世論調査では賛成派と反対派が拮抗しており、結果の予測は難しい状況だ。

仮に提案が可決されたとしても、人口が上限に達するまでにはなお数年から10数年を要するとみられ、直ちに大規模な政策変更が行われるわけではない。今回の投票は移民受け入れを巡る欧州各国の議論にも影響を与える可能性があり、その行方に国際的な関心が集まっている。

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