メキシコ・グアダラハラ、W杯開幕控え治安対策強化、カルテル暴力続く中
グアダラハラでは大会期間中、約1万5000人の警察官や州治安部隊、国家警備隊員らが動員される予定だ。
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FIFAワールドカップ(W杯)の開幕を目前に控え、メキシコ西部ハリスコ州の州都グアダラハラでは大規模な治安対策が進められている。今年2月、同地域を拠点とする麻薬カルテル「ハリスコ新世代(CJNG)」の最高指導者ネメシオ・オセゲラ・セルバンテス(通称エル・メンチョ)が軍事作戦で死亡したことを受け、同州内では武装勢力による道路封鎖や放火、銃撃戦が相次ぎ、70人以上が死亡した。
こうした状況から、グアダラハラがW杯開催都市として安全性を確保できるのかとの懸念が国内外で広がった。しかし州政府や連邦政府は暴力発生から48時間以内に治安を回復したと強調し、大会期間中の安全確保に自信を示している。
グアダラハラでは大会期間中、約1万5000人の警察官や州治安部隊、国家警備隊員らが動員される予定だ。スタジアム周辺やファンゾーン、空港、主要交通拠点には厳重な警備体制が敷かれ、監視カメラ網の強化やドローン対策部隊の配置も進められている。政府全体では10万人規模の治安要員を投入し、開催都市である首都メキシコシティ、グアダラハラ、モンテレイを中心に警備を展開する計画である。
一方で、W杯を巡る課題は治安だけではない。ハリスコ州では長年にわたり組織犯罪による失踪事件が多発、州内で多数の集団埋葬地が発見されている。失踪者の家族らは政府が国際イベントの成功を優先し、被害者支援や真相究明を後回しにしていると批判している。人権団体からは世界的なスポーツイベントの陰で地域社会が抱える問題が見過ごされてはならないとの声も上がる。
それでも当局は、W杯が地域のイメージ改善や観光振興につながる重要な機会だと位置付ける。国際サッカー連盟(FIFA)も現時点で開催地変更の予定はないとしており、グアダラハラでは予定通り4試合が開催される見通しだ。市内では大会を歓迎する装飾や関連イベントの準備が進み、多くの市民が世界最大級のスポーツイベントへの期待を高めている。カルテル暴力という闇を抱えながら、グアダラハラが安全な大会運営を実現できるかどうか、その真価が問われている。
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