◎リケーンアイダの被害を受けた南部ルイジアナ州の停電は上陸から1週間以上経過した今も続いている。
2021年8月31日/ルイジアナ州ワガマン、ハリケーンアイダの強風で半壊した配電柱(Getty Images/AFP通信)

米主要メディアによると、ハリケーンアイダの被害を受けた南部ルイジアナ州の停電は上陸から1週間以上経過した今も続いているという。気象当局は6日、一部の地域で大雨が降る可能性があると警告した。

アイダはカテゴリー4の勢力で南部地域に上陸し、北東に進む、その後温帯低気圧になった。ルイジアナ州では少なくとも13人、北東部のNY州やニュージャージー州などでは少なくとも50人の死亡が確認されている。

ルイジアナ州の停電世帯数は100万軒近くにのぼった。地元の電力会社によると、同州だけで配電柱14,000本以上が倒壊もしくは半壊し、電柱の変圧器2,200台以上が損傷し、発電所から市街地に電気を送っている送電鉄塔少なくとも155基が何かしらの被害を受けたという。

全米の電力供給を監視しているpoweroutage.usによると、ルイジアナ州では9月6日午後の時点でまだ50万世帯近くが停電したままだという。

また、南部地域の最高気温は連日32℃以上を記録し、雨の影響で湿度も高い状態が続いているため、熱中症の危険性が高まっている。

さらに、いくつかの地域では断水も続いている。地方自治体は蛇口から水が出た場合も、一部煮沸消毒してから利用するよう呼びかけている。

ルイジアナ州南部の送電鉄塔は強風と倒木の影響で深刻な被害を受けたと伝えられている。

国立気象局は6日の声明で、大雨が予想されているルイジアナ州の一部地域の住民は高台に避難し、足元の状態を確認しづらい夜間の行動は避け、車を運転する場合は冠水した道路には近づかないよう呼びかけた。

最大都市ニューオーリンズの夜間外出禁止令(午後8時~)は継続中。解除の見通しは立っていない。

ルイジアナ州のジョン・ベル・エドワーズ州知事は6日、「インフラの復旧作業にあたっている全ての関係者に滞在施設を提供する準備を進めている」と述べた。

エドワーズ州知事は、現場で復旧作業に従事している作業員や医療従事者を含む全ての関係者にホテルやその他の宿泊施設を無償で提供する宣言書に署名した。

国立ハリケーンセンターは6日の声明で、「メキシコ湾周辺の温帯低気圧はゆっくり北上し、南部地域に大雨や強風をもたらす可能性がある」と警告した。

ルイジアナ州の主要電力会社であるエンタージーのジョン・ホーキンス副社長はAP通信の取材に対し、「天候の悪化は復旧作業に影響を与える可能性がある」と述べた。

一方、9月3日にニューオーリンズを視察したジョー・バイデン大統領は、7日に北東部NY州とニュージャージー州を視察する予定。ホワイトハウスによると、バイデン大統領はNY州の5郡とニュージャージー州の6郡に対する新たな連邦援助を承認したという。援助には、仮設住宅や家屋の修繕関連の助成金、無保険の財産の損失をカバーする低金利ローン、個人や事業主を支援するその他のプログラムが含まれている。

<ハリケーンのカテゴリー>
カテゴリー1:秒速 33~44(m/s)
カテゴリー2:秒速 43~49(m/s)
カテゴリー3:秒速 50~58(m/s)
カテゴリー4:秒速 58~70(m/s)※アイダ
カテゴリー5:秒速 70~(m/s)※カトリーナ

2021年9月6日/ルイジアナ州ロックポート、破壊された住宅内を歩く男性(John Locher/AP通信)
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