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米国、ガソリン価格高騰で消費行動に変化、「節約志向」拡大

イラン情勢の緊迫化を背景にガソリン価格が上昇し、生活コスト全般への不安が高まるなか、小売業界では消費行動の変化が鮮明になってきた。
2022年5月24日/米ミシシッピ州マディソンのガソリンスタンド(AP通信)

米国の消費者が支出の見直しを進めている。イラン情勢の緊迫化を背景にガソリン価格が上昇し、生活コスト全般への不安が高まるなか、小売業界では消費行動の変化が鮮明になってきた。消費そのものが急減しているわけではないが、「家計防衛」を意識した選択が広がっている。

象徴的なのは給油行動の変化だ。会員制量販店のガソリンスタンド利用者が増加する一方、一度に満タンまで給油せず、必要最低限の量だけ購入する消費者が目立つようになった。小売大手の幹部は、平均給油量が近年で最も低い水準になったと指摘し、家計への圧力が強まっている兆候との見方を示している。

ガソリン価格の高騰はコンビニエンスストアにも影響を与えている。米国では燃料販売の大半をコンビニが担うが、給油客の減少に伴い、店内での飲料や軽食などの購入も落ち込んでいる。燃料価格の上昇が関連消費全体を押し下げる構図が浮かび上がる。

食品購入にも節約志向が広がる。消費者は肉類をまとめ買いして冷凍保存したり、割高なカット済み商品を避けたりする傾向を強めている。スーパー関係者によると、試食販売や店頭プロモーションに反応する客が減少し、買い物リストに沿った計画的な購入が増えているという。

外食産業も先行きへの警戒を強める。春先までは税還付金の効果で来店客数が支えられていたが、低所得層を中心に外食回数を減らす動きが続いている。調査会社の分析では、ガソリン価格の上昇に伴って外食利用が徐々に減少する傾向が確認されている。

こうした変化は衣料品や家具などの非必需品市場でより顕著だ。市場調査によると、家庭用品、衣料品、靴、スポーツ用品などの販売数量は前年を下回った。一方で玩具や美容関連商品は堅調を維持しており、消費者が限られた予算の中で支出の優先順位を選別している実態がうかがえる。

専門家はインフレの長期化に加え、燃料価格上昇が消費者心理をさらに冷やしていると分析する。実際、米国の個人消費は増加を続けているものの、その多くは価格上昇によるもので、実質的な購買力の伸びは限定的とされる。

小売各社は今後、価格競争力や割安感を前面に打ち出す戦略を強化するとみられる。生活必需品を優先し、ぜいたく品や衝動買いを控える消費者の姿は、米国経済の先行きを占う重要な指標となりそうだ。

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