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米国の「住宅差し押さえ」件数、過去5年間で71%増加

全米の差し押さえ申請件数は2020年から2025年までの5年間で71%増加した。
売り家の看板(Getty Images)

米国で住宅の差し押さえ(フォアクロージャー)が再び増加傾向にあることが、ABCニュースと不動産データ会社ATTOMの分析で明らかになった。コロナ禍で実施された住宅ローン返済猶予制度や差し押さえ停止措置の終了に加え、高止まりする住宅ローン金利や物価上昇が家計を圧迫し、住宅所有者の返済負担が重くなっていることが背景にある。

ABCニュースによると、全米の差し押さえ申請件数は2020年から2025年までの5年間で71%増加した。一方で、件数は2008年のリーマンショック時の水準には及ばず、市場全体が危機的状況に陥っているわけではないとの見方も示されている。

専門家はコロナ禍で一時的に抑制されていた差し押さえが通常の水準に戻りつつあることに加え、住宅取得費や維持費の上昇が家計に負担をかけていると指摘する。

地域別では、年間差し押さえ件数が最も多かったのはフロリダ州で、ニュージャージー州、デラウェア州、ネバダ州、サウスカロライナ州、イリノイ州、カリフォルニア州、メリーランド州、オハイオ州、アリゾナ州が続いた。南部や西部を中心に差し押さえ件数が目立っており、住宅価格の変動や生活費の上昇が地域経済に影響を及ぼしているとみられる。

住宅ローン金利は近年のインフレ対策として実施された金融引き締めを背景に高止まりしている。加えて、固定資産税や住宅保険料、修繕費など住宅保有に伴うコストも上昇するなど、特にコロナ禍後に高値で住宅を購入した世帯ほど返済負担が重くなりやすい状況にある。

住宅価格そのものは比較的高い水準を維持しているため、多くの所有者は売却によって資産価値を確保できる可能性があるものの、所得の伸びが物価上昇に追いつかない家庭では返済の継続が難しくなっている。

専門家は、現在の差し押さえ増加はリーマン・ショック前後の住宅市場崩壊とは性質が異なると分析する。当時は過剰融資や住宅価格の急落が大量の差し押さえを招いたが、現在は高金利や生活費の上昇による家計負担の増加が主因とされる。ただし、景気減速や雇用環境の悪化が重なれば、住宅市場への影響がさらに広がる可能性もあるとして、今後の住宅ローン延滞率や差し押さえ件数の推移が注目されている。

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