◎ファイアフライ・エアロスペース社のアルファロケットは軌道に小型衛星を投入する予定だったが、発射後まもなく太平洋上で爆発した。
2021年9月2日/カリフォルニア州のヴァンデンバーグ空軍基地上空、ファイアフライ・エアロスペースのアルファロケット(サンタマリア・タイムズ/AP通信)

9月2日、カリフォルニア州のヴァンデンバーグ空軍基地から打ち上げられた民間の無人ロケットは、地球の軌道に到達する前に異常に見舞われ、太平洋上で砕け散った。

空軍基地は声明で、「ファイアフライ・エアロスペース社のアルファロケットは軌道に小型衛星を投入する予定だったが、発射後まもなく太平洋上で爆発した」と述べた。

同社によると、アルファロケットは打ち上げから約2分30秒後に異常をきたし、爆発したという。空軍基地は失敗の原因を特定する調査が進められていると述べた。

アルファロケットには小型衛星だけでなく、デモンストレーション用の宇宙船を含む関係機関の機材が複数積みこまれていた。

ファイアフライ・エアロスペース社は声明で、「すべての目標を達成したわけではないが、多くの成果を得られた」と述べた。「今回の試験で第1段階の点火、超音速への移行、その他多くの飛行データを取得できました。今回得たデータは次のミッションに活かされます」

ファイアフライ・エアロスペース社はテキサス州に本拠を置く民間航空宇宙会社で、月への飛行を目指し様々な宇宙船を開発している。

アルファロケットの全長は約26mで、最大1,000kgの貨物を積み込める。同社によると、少なくとも月に2回、衛星を軌道に投入できる体制を構築したいという。アルファロケットの使用料は1回1,500万ドル(約17億円)と見込まれている。

人工衛星の開発コスト(打ち上げ費用含む)は衛星の規模によって異なるが、小規模なもので150億円、大規模なものになると500億円を超えることも珍しくない。

ファイアフライ・エアロスペース社は、小型人工衛星の市場で先行しているロケット・ラブ(Rocket Lab)とヴァージンオービットを追いかけている。

ロケット・ラブはニュージーランドの基地から小型衛星を100基以上軌道に乗せ、アメリカでは新たなロケット打ち上げ用複合施設を開発している。

ヴァージンオービットは、ボーイング747の翼を改良した空中発射ランチャーワンロケットの飛行に2回成功し、衛星17基を軌道に乗せた。

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