キューバの著名な人権活動家が米マイアミに到着、共産党が国外追放
アルカンタラ氏はキューバ国旗を肩にまとい、支援者らと抱擁を交わした。
と関係者(AP通信).jpg)
キューバの著名な人権活動家・アーティストであるアルカンタラ(Luis Manuel Otero Alcántara)氏が18日、約5年間の服役を終え、米フロリダ州マイアミに到着した。マイアミ国際空港には多くの支援者が集まり、祖国と自由を求める歌を合唱しながら同氏を歓迎した。
アルカンタラ氏はキューバ国旗を肩にまとい、支援者らと抱擁を交わした。米国政府は人道上の理由による仮入国を認めており、キューバ当局は事実上の国外追放という形で同氏の出国を認めた
アルカンタラ氏は首都ハバナの芸術家や作家らが結成した反体制団体「サン・イシドロ運動(Movimiento San Isidro - MSI)」の共同創設者として知られる。同団体は表現の自由や芸術活動への国家介入に抗議し、共産党への批判を続けてきた。
2021年7月に数十年ぶりとなる反政府デモが発生した際、アルカンタラ氏は参加を試みたところ拘束され、その後、「国旗への冒瀆」「公務執行妨害」「公共秩序の攪乱」などの罪で有罪判決を受け、禁錮5年の刑に服していた。人権団体はこれを政治的動機に基づく判決と批判してきた一方、共産党は刑事犯罪に対する正当な処罰だったと主張している。
アルカンタラ氏は当初、国外追放と引き換えの釈放を拒否し、「祖国を離れることは政府の思惑に屈することになる」との立場を示していた。しかし近年は、自身や家族への圧力が強まり、国内で自由に活動することが極めて困難になったことから考えを変えたとされる。
2024年にはスペイン紙のインタビューで、「政権は私が国を歩くだけでも危険な存在だと人々に思わせている」と語り、亡命も受け入れる考えを明らかにしていた。
同氏は今月9日に刑期を終えた後もすぐには釈放されず、刑務所から治安機関の施設へ移送されたため、一時所在が分からない状態となった。支援団体はハバナの裁判所に人身保護令状を請求、家族や友人らは安否確認を求める活動を展開した。その後、米国への渡航許可が下り、キューバ当局の管理下で出国手続きが進められた。
アルカンタラ氏は反政府歌「Patria y Vida(祖国と生命)」の制作に関わった。この楽曲はキューバ民主化運動の象徴として国際的な注目を集め、グラミー賞も受賞した。
今回の米国到着について支援者は「芸術活動と人権擁護を続けるための新たな出発だ」と歓迎する一方、人権団体は反体制派に国外退去を迫る共産党の対応を批判している。アルカンタラ氏の出国は、政治的対立が続くキューバと米国の関係にも新たな波紋を広げる可能性がある。
