◎ジョー・バイデン氏「予算成立の遅延は壊滅的な結果をもたらす」
トランプ大統領は1人2,000ドルの直接支払いを求めている。
2020年11月16日 ボストングローブ/マサチューセッツ州リン、食糧配給を受ける家族

COVID-19経済救済法案

COVID-19経済救済法案:9,000億ドル
2020年12月20日、上下両院の指導者が合意に達する

2020年12月21日、下院通過

2020年12月21日、上院通過

2020年12月22日、トランプ大統領、法案の修正を指示

・コロナ援助、救済、および経済安全保障法(CARES法):2.2兆ドル(230兆円)※2020年12月31日に失効
2019年7月下院通過

2020年3月25日上院通過

2020年3月27日下院、上院の修正に同意

2020年3月27日トランプ大統領署名

2020年11月23日 Zuma/アイオワ州デモイン、配給された食料を運ぶ少年

12月26日、ジョー・バイデン氏はトランプ大統領にコロナ救済法案への早期署名を促し、予算成立の遅れは「壊滅的な結果をもたらす」と警告した。

トランプ大統領は上下両院で可決された同法案への署名を拒否したうえで、市民への直接現金支給を1人600ドルから2,000ドルに増額し、コロナウイルス対策とは関係のない予算を削除するよう求めている。

バイデン氏は声明の中で、「トランプ大統領が超党派の法案を拒否したことで、何百万もの家族が困難に直面している」と述べた。

ジョー・バイデン氏:
「この責任の放棄は壊滅的な結果をもたらす。1,000万人以上の市民が失業保険を失う。まもなく政府の資金は失効し、軍人の重要なサービスと給与が危険にさらされる。立ち退きモラトリアムは1週間以内に失効し、何百万人もの市民が自宅から追い出される危険にさらされている」

トランプ大統領が拒否権を行使した国防授権法(NDAA)は、12月28日の上院投票で大統領拒否権を却下し成立する予定。(3分の2以上の賛成で法案成立)

2020年11月19日 AP通信/フロリダ州マイアミデイド、食事を受け取る児童

CNNニュースによると、トランプ大統領は滞在先のフロリダ州のゴルフクラブで予算成立の可能性について尋ねられ、「超党派が救済と呼ぶ法案には豚肉が詰まっている」と語ったという。

トランプ大統領は、9,000億ドル程度の予算では誰も満足しないと救済法案を嘲笑したうえで、共和党のミッチ・マコーネル上院院内総務と距離を置くよう関係者に指示した。

12月25日のトランプゴルフトーナメント会議に参加した共和党のリンジー・グラハム上院議員は、超党派のコロナ救済法案を支持していた。

ラウンドを終えたグラハム上院議員は、「大統領は予算の修正に挑戦する決意を固めていると確信した」とツイートした。

一方、民主党のナンシー・ペロシ下院議長はトランプ大統領の修正指示に従い、新たな単独法案を完成させたうえで12月28日に下院投票を行うと先日発表した

しかし、共和党は以前、民主党が提案した1人2,000ドルの直接支払いを却下しており、一部の共和党議員はトランプ大統領の指示でも反対すると主張している。

コロナ救済法案が成立しなかった場合

12月28日にCARES法の予算が失効すると・・・

・1,000万人以上の失業者が失業保険(給付)を失う。

・立ち退きモラトリアムの失効に伴い、数百万の市民が強制立ち退きに直面する。

・学生ローンの猶予プログラムの終了に伴い、数十万の学生がローンに押しつぶされる。

・中小企業の所有者を支援するペイチェック保護プログラム(PPP)の復活はさらに遅れ、体力のない中小零細企業の従業員は路頭に迷う。

予算の内訳

救済法案の内訳(抜粋)は次の通り。なお、民主党が強く求めていた「州および地方政府への支援」はカットされた。

・大人と子供1人あたり最大600ドルの直接支払い
※トランプ大統領は1人2,000ドルの直接支払いを求めている

・中小企業への支援 ペイチェック保護プログラム(PPP):2840億ドル以上
※トランプ大統領、予算が不足していると指摘

・ライブ会場、独立した映画館、文化施設などへの支援:150億ドル

・失業手当:週300ドル

・立ち退きモラトリアム延長:250億ドル

・学校や大学などの教育機関への支援:820億ドル

・育児支援:100億ドル

・栄養支援プログラム:130億ドル

・リモート接続およびブロードバンドアクセス強化:70億ドル

・コロナウイルスワクチンの輸送費:80億ドル

・コロナウイルスワクチンの接種費用(市民への無料配布):200億ドル

・航空業界への支援:450億ドル
(空港に20億ドル、アムトラックに10億ドル、航空会社に160億ドル、その他)

・有給の病気休暇を提供する雇用主への支援:税額控除

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