カナダで米国産品の不買運動拡大、スーパーが調達先を多様化、国内産を優先
カナダの大手小売企業ロブローやメトロ、独立系スーパーのビンス・マーケットなどは、商品の原産国を明確に表示するとともに、可能な限りカナダ産の商品を優先する対応を進めている。
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カナダで米国産品を避ける動きが広がり、食料品店が仕入れ先の見直しを迫られている。トランプ米政権が関税率を引き上げ、両国の貿易摩擦が激化する中、カナダの消費者が自国産品を積極的に選ぶようになったためだ。スーパー各社は米国産の野菜や果物などを減らし、国内や米国以外の国からの調達を増やしている。
カナダの大手小売企業ロブローやメトロ、独立系スーパーのビンス・マーケットなどは、商品の原産国を明確に表示するとともに、可能な限りカナダ産の商品を優先する対応を進めている。価格が高くなったとしても、米国産を避けたいという消費者の意向が強く、従来の「安く安定して調達できる商品を選ぶ」という小売業界の考え方にも変化が生じている。
野菜の輸入にも影響が表れている。カナダが米国から輸入する野菜の割合は、2023年7月の69%から2026年7月には62.6%まで低下した。スーパー側は供給を安定させるため、スペイン、ブラジル、ホンジュラスなど新たな調達先を開拓している。米国への依存度を下げることで、関税や政治情勢による供給リスクを抑える狙いもある。
背景には、米国との貿易摩擦に対するカナダ国内の反発がある。米国がカナダ製品に高率の関税を課す一方、カナダも報復関税で対抗しており、両国の経済関係は急速に悪化している。こうした状況を受け、カナダでは米国製品を買わず、国内企業や国内農家を支援しようという動きが広がっている。
カナダ政府も食料の自給率を高める取り組みを進めている。寒冷な気候のため冬場の農産物生産には制約があるが、今後10年間で30億カナダドルを温室農業に投資し、野菜などの国内生産を増やす計画を打ち出している。これは単なる消費者運動への対応ではなく、食料安全保障の強化にもつながる政策となっている。
一方、米国産品を減らすことにはコストも伴う。輸送網や長年築かれてきた取引関係を変更すれば、仕入れ価格や物流費が上昇し、最終的に消費者の負担が増える可能性がある。それでも現在は経済合理性だけでなく、米国への依存を減らしたいという国民感情が小売業者の判断を左右している。
米国との政治的緊張が将来的に緩和されたとしても、一度変更された供給網が元に戻るとは限らない。カナダのスーパーが米国以外の調達先を確保し、国内生産への投資も進めれば、今回の不買運動は北米の食品流通そのものを長期的に変える可能性がある。
