カナダ政府、16歳未満のSNS利用禁じる法案を国会に提出
若年層の精神的健康への悪影響やオンライン上の安全確保に対する懸念が高まる中、デジタルプラットフォームに対する規制強化を目指す動きとして注目を集めている。
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カナダ政府は10日、16歳未満の子どもによるソーシャルメディア利用を原則として禁止するとともに、人工知能(AI)チャットボットに対する新たな規制を導入する法案を議会に提出した。若年層の精神的健康への悪影響やオンライン上の安全確保に対する懸念が高まる中、デジタルプラットフォームに対する規制強化を目指す動きとして注目を集めている。
法案ではSNS事業者に対して利用者の年齢確認を義務付け、16歳未満の利用者がアカウントを開設したりサービスを利用したりすることを防ぐ措置を講じるよう求めている。対象となるサービスには主要なSNSや動画共有プラットフォームが含まれる見通しで、違反した企業には高額な制裁金が科される可能性がある。
カーニー政権は提案の理由について、若年層の長時間利用によるメンタルへの影響や、いじめ、誹謗中傷、有害コンテンツへの接触リスクが深刻化していることを挙げている。近年、各国でSNSと若者の不安障害、うつ症状、自尊心の低下などとの関連性を指摘する研究結果が相次いでおり、政策対応を求める声が強まっていた。
また法案には、急速に普及している生成AIや対話型AIチャットボットに対する規制も盛り込まれた。AIサービス提供企業には、安全性評価やリスク管理体制の整備が義務付けられるほか、利用者がAIと対話していることを明確に表示することが求められる。特に未成年者が利用する可能性が高いサービスについては、誤情報の拡散や不適切な助言の提供を防ぐため、追加的な安全対策を講じる必要があるとしている。
政府関係者はAI技術の発展そのものを阻害することが目的ではなく、技術革新と利用者保護の両立を図ることが狙いだと説明している。生成AIは教育や医療、行政サービスなど幅広い分野で活用が進む一方、虚偽情報の生成やプライバシー侵害、未成年者への悪影響などの懸念も指摘されている。
今回の法案はオーストラリアや欧州諸国で進むオンライン規制強化の流れとも共通している。各国政府は巨大IT企業に対する監督権限を強化し、未成年者保護やデータ保護を重視する方向へと政策を転換しつつある。カナダ政府もデジタル社会における新たなルール作りが必要だとの立場を鮮明にした形だ。
一方で、法案には表現の自由やプライバシー保護の観点から慎重論も出ている。SNS企業や一部の市民団体は厳格な年齢確認制度が個人情報の収集拡大につながる可能性を指摘しているほか、若者の情報アクセスや社会参加を不当に制限する恐れがあると懸念を示している。
法案は今後、議会での審議を経て成立の可否が判断される。成立すれば、カナダは未成年者のSNS利用制限とAI規制を包括的に進める国の一つとなる見通しで、世界的なデジタル規制の議論にも大きな影響を与える可能性がある。
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