米国でアジア系の姓が急速に増加 2020国勢調査
米国はもともと移民国家であり、時代ごとに主流となる出身地域は変化してきた。
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米国でアジア系の姓が急速に広がっていることが国勢調査局の最新報告で明らかになった。現地メディアが伝えたもので、2010年から2020年にかけて最も高い増加率を記録した姓の多くがアジア系で占められたという。人口構成の変化が姓の分布という形で可視化された格好だ。
報告によると、2020年時点で米国で最も一般的な姓は「スミス」で、次いで「ジョンソン」「ウィリアムズ」「ブラウン」「ジョーンズ」が続いた。これら上位5つは2010年と変わらず、依然として英語圏由来の姓が主流を占めている。一方で、増加率という観点では様相が大きく異なる。特に「Zhang(張)」「Liu(劉)」「Wang(王)」など、中国系に多い姓が顕著に増加し、上位の伸び率ランキングで目立つ存在となった。
この傾向は中国系に限らない。韓国系の「Kim」やベトナム系の「Nguyen」など、他のアジア系コミュニティに由来する姓も増加しており、アジア系全体の人口拡大を反映している。報告はアジア系住民が米国で最も速いペースで増加している人種・民族グループの一つであることを裏付ける内容となっている。
一方、姓の総数ランキングでは、ヒスパニック系の影響も見逃せない。上位10位には「Garcia」「Rodriguez」「Martinez」などスペイン語系の姓が複数入っており、特にRodriguezは2010年の9位から2020年には8位へと順位を上げ、「Davis」を上回った。こうした変動はヒスパニック系人口の増加も同時に進んでいる現実を示している。
今回のデータは国勢調査局が実施した2020年国勢調査に基づくもので、姓に関する包括的な分析としては10年ごとに公表されている。さらに今回は1990年以来となるファーストネーム(名)のデータも公開された点が特徴だ。男性名では「Michael」「John」「James」、女性名では「Mary」「Maria」「Jennifer」などが依然として上位を占め、大きな変化は見られなかった。
専門家は名前の選択が文化的背景や社会的接触の影響を強く受けると指摘する。移民の増加に伴い、多様な文化圏の名前が日常的に共有されるようになれば、それが新たな命名の傾向にも波及していく可能性がある。実際、アジア系の姓の急増は単なる人口増加にとどまらず、米国社会における文化的多様性の拡大を象徴する現象といえる。
米国はもともと移民国家であり、時代ごとに主流となる出身地域は変化してきた。19世紀から20世紀初頭にかけては欧州系移民が中心であったが、近年ではアジアや中南米からの移住が顕著である。今回の姓の変化はそうした長期的な人口動態の転換を反映したものでもある。
今後も移民の流入や出生率の違いによって、姓や名前の分布は変わり続けるとみられる。順位そのものは緩やかにしか動かない一方で、増加率という視点ではすでに大きな変化が起きている。姓という日常的な要素の変化は、米国社会が多様化の新たな段階に入っていることを示す指標となっている。
