米国民の消費行動に変化、「食料品価格」過去50年で最大の値上がり
消費者はこれまでのように決まった店で必要な物を購入するのではなく、特売情報やクーポンを活用しながら複数の店舗を回るようになった。
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米国では近年、食料品価格の高騰が家計を圧迫し、消費者の買い物行動が大きく変化している。AP通信によると、2019年から2026年にかけて食料品価格は約33%上昇し、過去50年間で最大の値上がりとなった。消費者物価指数(CPI)そのものは落ち着きつつあるものの、食品価格は高止まりしており、多くの家庭が節約を前提とした買い物へと切り替えている。
消費者はこれまでのように決まった店で必要な物を購入するのではなく、特売情報やクーポンを活用しながら複数の店舗を回るようになった。スマートフォンのアプリで価格を比較し、全国ブランドの商品を割安なプライベートブランドへ切り替える動きも広がっている。また、まとめ買いや冷凍保存を活用し、食品ロスを減らす工夫も一般的になっている。
特に値上がりが目立つのが牛肉で、2019年と比べて約79%上昇した。これを受け、多くの家庭では鶏肉や豆類など比較的安価なたんぱく源へ切り替えたり、肉料理の回数そのものを減らしたりしている。価格上昇の背景には、コロナ禍による供給網の混乱、異常気象、トランプ関税、ウクライナや中東での紛争などが重なり、生産や輸送コストが押し上げられたことがある。
影響は低所得世帯ほど深刻で、所得の3分の1を食費が占めるケースもあるという。食料支援施設や政府の栄養支援制度(SNAP)に頼る家庭も少なくないが、制度の利用条件が厳格化されたことで支援を受けにくくなった人もいる。家賃や光熱費なども上昇しているため、食費を削らざるを得ない状況が続いている。
高コスト地域では地元産の野菜や果物の購入を控えたり、嗜好品を諦めたりする人も増えている。賃金は一定程度上昇しているものの、生活費の上昇には追いつかず、家計への負担は依然として重い。
食料品価格の高騰は日常生活に直結する問題であり、消費者の節約志向や購買行動の変化は今後もしばらく続くとみられる。専門家は、インフレが鈍化しても価格がコロナ禍前の水準に戻る可能性は低く、家計防衛のための新たな買い物習慣が定着しつつあると指摘している。
