◎右翼団体と政治家は、米国を代表する人気深夜番組「サタデー・ナイト・ライブ」でボールドウィン氏が演じたドナルド・トランプ前大統領のパロディに長い間悩まされてきた。
2021年10月21日/ニューメキシコ州サンタフェのサンタフェ郡保安官事務所近く、アレック・ボールドウィン氏2(Jim Weber/Santa Fe New Mexican/AP通信)

米主要メディアによると、一部の極右政治家と活動家が致命的な発砲事件に見舞われた俳優のアレック・ボールドウィン氏に対する口撃を繰り返しているという。

ボールドウィン氏は21日、主演映画「Rust(原題)」の撮影中に実弾が装填された銃を誤って発砲した。事故発生時の詳細はまだ明らかにされていないが、撮影監督のハリーナ・ハッチンズ氏(42歳)が胸に弾を受け死亡した。

ハッチンズ氏の後ろにいたジョエル・ソウザ監督も肩を負傷したが、治療を終え退院している。

右翼団体と政治家は、米国を代表する人気深夜番組「サタデー・ナイト・ライブ」でボールドウィン氏が演じたドナルド・トランプ前大統領のパロディに長い間悩まされてきた。

発砲事件後、右翼はボールドウィン氏に標準を合わせ、#Alec For Prison(アレックを刑務所に)はツイッターでトレンド入りした。

事件から数時間後、オハイオ州の熱烈なトランプ信者であるJ・D・ヴァンス氏はトランプ前大統領のツイッターアカウントを速やかに復元するようツイッター社に要請し、「今こそアレック・ボールドウィンの陽気なツイートが必要です...」とツイートした。

トランプ前大統領の長男は公式ウェブサイトで、「銃は人を殺さないが、アレック・ボールドウィンは人を殺す」と書いたTシャツを販売した。

トランプ前大統領に最も嫌われているリベラルなCNNニュースのジェイク・タッパー氏は24日の放送で、「一般人はハッチンズ氏の死を嘆いているが、一部の人間は政治に利用している」と述べた。「現在の米国の政治には人間性を破綻させる何かがあります...」

コロラド州の共和党員で議会議事堂に銃を持ち込むと主張し物議を醸したローレン・ボーベルト下院議員は、ブラック・ライヴズ・マターの抗議者を支持したボールドウィン氏の昨年のツイートを引用し、「私を撃たないでください!というTシャツを作る」と述べた。「アレック・ボールドウィン、Tシャツを作ってもいいですか?商標権の問題はクリアできますか?」

ボーベルト下院議員のツイートは非難の嵐を巻き起こし、多くのハリウッドスターが発言の撤回と謝罪を要求した。

しかし、反抗的なボーベルト下院議員は要求を却下し、「左翼は銃器で身を身を守るという米国民の権利を奪おうとしている」とツイートした。「有名人は銃の安全性を全く理解していません。保守的な俳優であれば事故は回避できたでしょう」

一部の主要メディアは、ボールドウィン氏が刑事責任を問われる可能性は低いと報じた。

しかし、一部の専門家は、ボールドウィン氏を含む映画のプロデューサーはほぼ間違いなく民事訴訟に直面し、撮影内で使用する銃に実弾が装填された経緯次第では、刑事訴訟もあり得ると指摘した。

AP通信によると、映画「Rust」の撮影には5人のプロデューサー、4人のエグゼクティブプロデューサー、ラインプロデューサー、および共同プロデューサーが関与していたという。

映画の制作会社は事故や制作関連の補償を保険で部分的にカバーすると予想されている。専門家によると、保険会社の負担額は数百万ドル規模になる可能性が高いという。

警察当局は22日の会見で、「助監督はボールドウィン氏に銃を手渡す際、コールドガン(実弾を装填していない銃)と伝えていた」と述べた。実弾入りの銃が使われた経緯はまだ明らかにされていない。

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