SHARE:

米政府、南ア白人難民の受け入れ枠を1.75万人に拡大、「緊急の難民状況」と説明

国務省は南ア政府や複数の政党による発言がアフリカーナーに対する敵対的な環境を生み出し、米国の難民再定住事業も妨害していると指摘した。
2026年4月29日/南アフリカ、ヨハネスブルグ市内、不法移民に抗議するデモ(AP通信)

トランプ米政権は22日、南アフリカの白人少数派、主にアフリカーナーについて、2026会計年度末までに最大1万7500人を難民として米国に受け入れる方針を連邦議会に通知した。国務省は当初、受け入れ枠を7500人としていたが、南アで「予期せぬ事態が発生し、緊急の難民状況が生じた」として、追加で最大1万人を受け入れる計画に変更した。

国務省は南ア政府や複数の政党による発言がアフリカーナーに対する敵対的な環境を生み出し、米国の難民再定住事業も妨害していると指摘した。2025年12月には南ア政府当局者が米国の難民審査施設を捜索したことも問題として挙げ、アフリカーナーが人種を理由とした差別や迫害の危険にさらされていると主張している。追加1万人の受け入れには約1億ドルの費用がかかると国務省は見積もっている。

一方、南ア政府は米政権の主張を否定している。ラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領は白人を標的にした暴力を政府が容認しているとの見方を否定し、政府はそのような行為に反対していると説明した。南アの専門家からも、白人が人種を理由に組織的に標的にされていることを示す証拠はないとの指摘が出ている。南アでは白人を含め、さまざまな人種の市民が犯罪被害を受けている。

今回の措置は、トランプ政権が2025年に始めたアフリカーナー向け難民受け入れ政策の拡大でもある。2025年9月に決定された2026会計年度の難民受け入れ上限は7500人で、その大部分をアフリカーナーなどに割り当てる方針が示されていた。

南ア政府が掲げる人種政策には、アパルトヘイト時代の格差是正を目的とするものも含まれており、米国側の評価との間には大きな隔たりがある。難民受け入れ枠の拡大は、移民政策だけでなく、米国と南アの外交関係や人種政策をめぐる対立にも直結する問題となっている

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
あなたへのおすすめ