米ニュージャーシー州の水道システムにサイバー攻撃、親イラン系ハッカーか
攻撃はこの1週間で発生し、自動制御システムが一時的に機能しなくなったものの、運転員が手動操作に切り替えたことで給水への影響は発生しなかった。
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米ニュージャージー州で2つの市営水道システムがサイバー攻撃の標的となっていたことが5日、明らかになった。州当局によると、攻撃はこの1週間で発生し、自動制御システムが一時的に機能しなくなったものの、運転員が手動操作に切り替えたことで給水への影響は発生しなかった。現在は両施設ともアクセス管理の強化などの対策を講じ、安全性は確保されているという。
州当局は攻撃者を特定していないが、イランとの関連が疑われている。捜査関係者によると、今回の攻撃ではシステム管理者のパスワード変更や警報機能の無効化など、水道事業者の監視能力を低下させる手口が用いられた可能性がある。一方で、水質の汚染や大規模な断水は確認されていない。
水道システムへの攻撃はニュージャージー州だけにとどまらない。同様のサイバー攻撃や侵入の疑いは全米少なくとも12州の上下水道施設で報告されており、重要インフラを狙った広域的な攻撃として米連邦当局が警戒を強めている。
標的となっているのは、水処理施設やポンプ設備を遠隔で監視・制御する産業制御システム(ICS)やSCADAシステムで、比較的古い設備やインターネットに接続された機器が狙われているとみられる。
米国では近年、水道インフラに対するサイバー攻撃が相次いでいる。2023年にはペンシルベニア州の水道施設が親イラン系ハッカー集団による攻撃を受けたほか、その後も各地で同様の事案が報告されている。水道事業者の多くは中小規模で、情報セキュリティ対策に十分な予算や専門人材を確保できていないことから、防御体制の脆弱さが課題として指摘されている。
米連邦捜査局(FBI)や国土安全保障省傘下のサイバーセキュリティ・社会基盤安全保障庁(CISA)は水道事業者に対し、不要な遠隔接続の遮断、多要素認証の導入、システムの定期更新、異常時に手動運転へ迅速に移行できる体制の整備などを呼びかけている。今回の事案では市民生活への直接的な影響は回避されたが、重要インフラを標的とするサイバー攻撃の脅威が一段と深刻化していることを浮き彫りにした。
