ドイツ検察、ノルドストリームパイプライン爆発事件でウクライナ国籍の男を起訴
起訴されたのは、ドイツの司法手続きに基づきセルヒー・K(Serhii K.)と公表されている人物で、検察は爆発物によるインフラ攻撃や建造物の破壊などの罪に問う方針である。
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ドイツ連邦検察は7月1日、2022年9月にロシアとドイツを結ぶ北海経由のガスパイプライン「ノルドストリーム1・2」で発生した爆破事件を巡り、ウクライナ国籍の男性を起訴したと明らかにした。事件発生から約4年を経て初めて容疑者が正式に起訴されることになり、欧州最大級のインフラ破壊事件の全容解明に向けた捜査は新たな段階に入った。
起訴されたのは、ドイツの司法手続きに基づきセルヒー・K(Serhii K.)と公表されている人物で、検察は爆発物によるインフラ攻撃や建造物の破壊などの罪に問う方針である。捜査当局によると、容疑者は2022年9月、ヨット「アンドロメダ」でバルト海へ向かい、作戦チームの現場責任者を務め、パイプラインへの爆発物設置を指揮した疑いが持たれている。一方、本人は一貫して容疑を否認している。
ドイツ当局はこの破壊工作に船長1人、ダイバー4人、爆発物の専門家1人に加え、現場指揮官であるセルヒー・Kが参加したとみている。チームはデンマーク領ボーンホルム島付近で海底約70~80メートルに設置されたノルドストリーム1・2のパイプラインに爆薬を取り付け、爆破した疑いがある。捜査資料では、レンタルされたヨットから爆薬の痕跡やDNAなどの証拠が見つかったとしている。
容疑者は2025年8月にイタリアで逮捕され、その後ドイツに引き渡された。現在は勾留中で、今後ハンブルク高等裁判所で審理が行われる見通しである。検察は被害を受けたパイプラインがメクレンブルク・フォアポンメルン州ルブミンに接続し、ドイツのエネルギー安全保障に重大な影響を及ぼしていることから、自国に裁判権があると判断した。
ノルドストリーム爆破事件はロシアによるウクライナ侵攻開始から約7か月後に発生した。4本あるパイプラインのうち3本が破壊され、ロシア産天然ガスの欧州向け輸送は事実上停止した。これにより欧州ではエネルギー価格が高騰し、とりわけロシア産ガスへの依存度が高かったドイツは深刻なエネルギー危機に直面した。事件を巡っては当初、ロシアや欧米諸国などさまざまな関与説が浮上したが、ドイツ当局は独自捜査を進め、ウクライナ人グループが実行した可能性を強めている。ただし、ウクライナ政府が組織的に関与したことを示す証拠は現時点で公表されておらず、捜査が継続中である。
