イギリス首相、若者向け職業訓練見直しへ、AI普及で雇用市場に変化
イギリスではコロナ禍以降、16~24歳の若者の雇用環境が悪化しており、就学・就業・職業訓練のいずれにも参加していない若者が100万人を超えた。
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イギリスのバーナム(Andy Burnham)首相は28日、人工知能(AI)の普及によって雇用市場が大きく変化することを見据え、若者向けの技術教育と職業訓練を抜本的に見直す方針を発表した。大学進学偏重から脱却し、地域産業の需要に即した実践的な教育を拡充することで、若年失業の改善と将来の人材育成を目指す。
イギリスではコロナ禍以降、16~24歳の若者の雇用環境が悪化しており、就学・就業・職業訓練のいずれにも参加していない若者が100万人を超えた。18~24歳のニート比率は15.8%で、イギリス政府が手本とするオランダの3倍以上に達している。
バーナム氏は英紙タイムズへの寄稿で、「大学だけが成功への道という考え方に偏りすぎていた」と指摘。今後は中等教育段階から英語、数学、理科などの基礎科目に加え、製造業やAI、建設など地域産業に関連する技術科目を学べる新たな教育課程を整備するとした。また、企業が参画する実習や職場体験も組み込み、地方自治体や学校、企業が連携して地域の労働市場に適したカリキュラムを設計し、全国展開は2028年を予定していると明らかにした。
背景には、AIの急速な普及により、事務職など一部の仕事が自動化される一方で、高度な技術力や専門技能を持つ人材への需要が高まるとの認識がある。バーナム氏はAIが「新たな技能への需要を生み出し、伝統的な技能職にも新たな価値を与える」と強調した。
政府は職業教育改革と並行して、若者向け就労支援も強化する。雇用年金省はオランダの若者支援を参考に、就職支援や教育、福祉、医療サービスを一体的に提供する約180カ所の「ユース・ハブ」を新設する計画を進めている。
バーナム氏は、AIは雇用を奪うだけでなく新たな仕事も生み出す「汎用技術」だとした上で、「これまで安全で安定していると考えられてきた職業観は、もはや通用しないかもしれない」と述べ、職業教育の転換が不可欠との認識を示した。
今回の改革はメイ元政権のTレベル資格導入やジョンソン元政権の技能・徒弟制度改革、スターマー前政権による企業と教育機関の連携強化策を引き継ぎつつ、AI時代に対応した人材育成へと発展させる位置付けとなる。
政府は教育制度を労働市場の変化に適応させることで、若者が将来にわたり安定した雇用機会を得られる環境づくりを急ぐ考えだ。
